=去るものは追わず 来るものは拒まない=

  みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご利用いただき有難うございます。

 紀南地方は桜の季節が終わり、里山の木々が一気に芽吹いてきました。三月下旬から極端な少雨傾向が続いているため菜園のサヤエンドウが枯れています。また、田植えを控えた釣り場周辺の田んぼに水が入っていません。農家は大ピンチ!!

 釣り場の水温は4月中頃よりコンスタントに15℃超を記録し20℃に迫ってきました。これでも昨年同期より上昇のタイミングが一旬遅れです。低水温傾向であっても4月前半のチヌ類の釣果は0.8尾(一人当たり)で、この時期としては好調を維持してきました。特筆すべき事象として、年間を通じて数匹しか姿を見せない50㎝超の大型のチヌが頻繁に揚がっていることが挙げられます。ただこのところ、チヌ類は全体的に中だるみの兆候が窺われます。

 釣り場の珍顔はコノシロで35㎝前後のサイズで数~10数匹単位で揚がっていました。また、最近の水温上昇に伴って豆アジやアイゴの群れが確認されています。そうそう、釣果情報に反映されていないのですが、O名人が70㎝級のマダイを釣り上げたとの極秘情報を得ています。とは言っても、二匹目の泥鰌狙いは難しい獲物ですね。例年とは幾分異なる魚影が海洋環境の変化と連動した現象でないことを願うばかり・・・。

 神がかり的好調が続くBさんの獲物(53㎝)

 御代替わりが目前に迫ってきました。「降る雪や 明治は遠くなりにけり」という中村草田男の句が、今や「昭和」がぴたりと同じ心境にはまる状況です。月が替われば「昭和」は(やがて「平成」さえも)急速に記憶から消えていくはずです。小椋佳は自身の楽曲で「去りゆくものは静かに見送る!」という意を発信しています。確かに、遠ざかるものを追っても得られるものが乏しいのは経験知です。一方で新しい時代の到来には漠然とした期待を抱くのも条理、「そうでなきゃ生きてられないよ!」というのが心からの叫びであります。

 目下、マスコミはここぞとばかりに「平成」のコンテンツ創りに勤しんでいます。あんなことやこんなこと、「平成」もまた人それぞれの想いが詰まった時代だったはずです。西原理恵子は、「平成」になって劇的に変わった街の景観として「電車の中で乗客が見入るのが文庫本からスマホ画面になったこと」と指摘していました。私は、メイドインジャパンの信頼低下を招いている製造業における職人魂の消失を挙げたいところです。損得勘定でない、納得できる仕事にこざわったクラフトマン・シップはどこへ消え去ったのかしら!? 

 新天皇は還暦を過ぎたこれからが人生の本舞台。誠にご苦労様です。アリやミツバチの社会では一所懸命働いているのが3割、残る7割は緊急時の予備役らしいので、馬齢を重ねた身であっても、せめて火事場の働きを全うできるようと言い聞かせています。

 

 世事の騒ぎを他所に悠々としたミズクラゲの群泳(鳥の巣釣り場)