=夏をあきらめない・・!?=

みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご利用いただき有難うございます。

強い台風15号が関東を直撃し、大きな災害を残しました。通常、関東を襲う台風は既に西日本上陸後、若しくは水温の低い海域を進んで勢力の落ちた熱帯低気圧寸前のものが多く、関東圏は台風に関して比較的安心な土地柄というのが私のイメージです。今回は発生域から水温の高い最短コースをハイスピードで移動したため勢力が衰えなかったのです。台風慣れしているはずの伊豆諸島にも大きな傷跡を残しています。台風は高気圧の縁に沿って移動します。日本を覆っていた太平洋高気圧の勢力が徐々に衰えてくるのに伴って、日本への台風の道が開きます。従って、今しばらく油断ができません。

釣り場の水温はほぼ26~29℃の間を乱高下していますが、全般的にはやや低下傾向にあると見做されます。海水の透明度が高い日も多く、「ハリスに対する魚の視認能力が上がって釣りには厳しい!」という声も漏れ聴こえます。魚との知恵の絞りあい、我慢できないグルメ餌を用意するとか・・、一工夫が要るというわけですね。

9月前半のチヌ類の釣果は1.5尾(一人当たり)でした。チヌハンターに限れば数匹の獲物をゲットできているはずです。アイゴは「群れが見えてもなかなか喰いつかない!」ということで、10尾を越えるのは至難です。その他、目に付く魚種はアジ類(青、赤、メッキ)、シオ、チャリコ、偶にハタ類幼魚といったところ。「シオは小型のアジがあればかなり釣れる」、とはY名人の言です。

この時期、陽射しはまだまだ強いものの季節は間違いなく秋へと遷っています。ところがどっこい、筏周りには“チョウチョウウオ“類など南方系魚があちこちで小さな群れを作っています。日本近海では9月に最高水温を記録するのが一般的で、陸上に少し遅れて今が夏の盛りなのです。鳥の巣釣り場も生物相の点ではこれに準じています。

暖流によって北方に運ばれた南方系の魚は冬を越すことができずに死滅する運命です。これは“死滅回遊”と言われる現象です。ところが近頃は温暖化によって冬の海水温が上がり、越冬する魚種の存在がしばしばニュースに採り上げられてきました。温室効果ガスの一種である二酸化炭素の増加が海水の酸性化を進め、これが海水中の炭酸カルシウムの生成を阻害します。この結果、サンゴの骨格形成や貝類の貝殻形成に悪影響を及ぼすと指摘されています。一時問題になった二酸化炭素排出削減の動きが国民レベルで共有できず、意識が高まらないのが残念です。

南方系の魚は形態的に面白く色彩も鮮やかなため快心のワンショットを狙ってみたのですが、用心深く人影を寄せ付けません。そんな中でフグ類は海のカラスともいえる存在、人との距離が近いのです。写真のハコフグは毒を持たないため安心して食べることができる魚です。可食部は少ないけれどあっさりした白身。味噌焼き等で戴いた古い記憶があります。

採餌に夢中(?)の”ハコフグ“

釣り場でも色彩の鮮やかなベラ類などが揚がる機会が増えてくると推察します。