=別れと出会いの季節 渦中にあっても時は流れる=

みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご利用いただき有難うございます。

鳥の巣半島は春に向けた農作業のピッチが上がってきました。釣り場の水温は15℃を覗いつつも踏みとどまっている状況です。2月のチヌ類は初旬と下旬の各1尾(45㎝超級)づつに留まりました。そのうちの一人Iさん、希望の釣り台でなかったものの辛抱強く粘って50㎝弱の良型を揚げております。またアジ類は冬の主対象であった岸側で継続的な群れを形成することが稀になり、沖側の小規模な中型群(20~30cm)狙いへと遷ってきました。ベテラン釣り師は「今少し我慢の時期かな!?」と漏らしています。

早春の釣り場の一風景

春は別れと出会いの季節。少し前のことであるが、A新聞に若い人の投稿で「人生の幸福の見つけ方を教えてほしい」との訴えが掲載されていた。編集子がどういう意図をもって掲載に至ったのか、いささか戸惑いを覚えた紙面であった。何故なら、案内に従って「幸福行」と打ち込めば、次に「時間優先」と「費用優先」のどちらかを選んで「OK」と押せば、あとは自動的に目的地に運んでくれるような万人向けのマニュアルはない(はずである)。良くも悪くもこの種の悩みに発言するのはある種の宗教家か楽天家だけであろう。「かつて北海道で“幸福”行の切符が買えたよ!」、と往年の旅人から声が挙がるかもしれない。でも、たとえ約束の地に運ばれたとしても、そこで皆が同じ水準の満足を得られるかしら?

視点を少し変えて、「これからどう生きていけば良いのか?」と、問い換えればどうでしよう? 時まさしく卒業シーズン。(開催されるならば)儀式に御定まり偉いさんの挨拶から始まって音楽家のエール、さらには先哲の至言まで、時宜に応じたメッセージや格言は数多あります。私はアップルの創立者の一人スティーブン・ジョブズが大学の卒業式で若人に贈ったメッセージにシンパシーを覚えています。その要諦は、「先のことなど誰にも予見できない、自分の内なる声に従って目先の利益に右往左往せず愚直に励め!」ということです。経験に基づいた分かりやすい話で、且つ適度な長さ。原文で読めば英語の勉強にもなります。その道一筋で巨匠・名工の域に到達した人たちも、「ひたすら続けているうちにここまで来た」と漏らされていますね。共通するのは、「一所懸命生きなさい、その先に答えが見つかるから」である。

実は、小父さんたちの引き出しには「人生の幸福は“酒とオ〇ナと良い音楽”」という格言が仕舞われています。雰囲気読めないKY発言との非難が挙がるかも・・。でも、大人の余裕が感じられて私は結構気にいっているのです。

この時期、定年を迎える企業戦士もおられるはず。「毎日やることが無くって」が人間にとって最もストレスフルな状態のようです。動物園や水族館でも飼育動物を退屈させないのが最近のやり方です。釣りも定年後の趣味になり得ます!!

10年前の桜の季節には東日本大震災で日本中が沈んでいた。今年は新型コロナに揺れ、まさにいつか見た光景。お上から“蟄居”せよとの指示が出ている(紀州方言では“しこる”と言います)。下界の喧騒にかかわりなくこれまでも、そしてこれからも時間は流れていくのである・・・。