=秋 稔りの季節=

 

みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご利用いただき有難うございます。

いつの間にか季節が進み、早暁の釣り場は肌寒さを覚えるほどになっています。水温は下降局面に入っており、朝夕の冷え込みが強まったことと相俟って直近は25℃付近で変動しており、これはほぼ昨年並みの水準です。湾内は秋雨前線に伴う淡水流入で周期的に濁りが観測されます。但し、継続する透明度の低さは、まだ十分強い日差しの下、湾内に補給された栄養分を利用して植物プランクトンが増える “秋季ブルーム”の発生が推定されます。マガキの生育に期待が持てるかしら??

さて、9月のチヌ類は2.4尾(一人当たり)の釣果でした。時期的に20~30㎝台の中・小型群が主体となる中であっても稀に40㎝超えの良型が混じってきました。ベテラン管理人曰く、「今年はチヌが豊漁」とのこと。これは数字的にも間違いないようです。

アジ類は小・中型サイズが数匹~十数匹に加え、カマスやハマチサイズのブリ幼魚が廻ってきています。但し、日毎の変動が大きいというのが現時点の見立てです。この季節は薄暁時にタチウオが釣れることもあるようです。また、9月下旬からアイゴ当歳魚(=バリコ)が揚がりだしたのはアイゴ・ハンターにとっての朗報。とは言え、「シーズンは残り一月ほど、(CM風に)貴重なこの機会をお見逃しなく!」。

秋浅いある日のTさんの獲物(もちろん気分は最高!)

紀州路はミカン、カキ、イチジクなどなど果実の季節を迎えている。「ミカンの採れる土地は人が棲むのに適し、リンゴの稔る地は人が棲むことができる」、という言い習わしがあります。どちらも日本を代表する味覚ですが、「酸っぱいのは得手が悪くミカンはどうも・・」というお父さんは少なくない。一方私は噛んだ折のシャリツという食感と音が三叉神経(?)に触るのでリンゴが苦手である。釘でガラスをひっかくと何とも嫌な気分になる人がいるが、あの食べ物版である。「リンゴを齧ると歯茎から血が出ませんか・・??」のCMを観る度に神経が切れそうになります。味は好みの部類なので皮を剥けば呑み込めるし、シャーベットやジュースの類はOKなのです。個人の基準ではナシが境界線上にあるが、皮ごと齧ることはできない。

村下孝蔵は自身の歌曲のなかで「リンゴの花が咲く暖かいところなら何処へでも往く・・」と宣言している。私の感覚ではリンゴは冷涼な土地の産物であり、ここは是非ともミカンが腑に落ちる。今から50年ほど前、リンゴは札幌市内の豊平区辺りが北限と聴いた。温暖化が進んだ近頃はもっと北上しているはずである。筋肉体躯のネアンデルタール人は身体の発熱量が多い。彼らにとってリンゴ産地はさぞかし温暖な土地であったことだろう。

余談だが、和歌山はカキ(柿)も全国屈指の生産量を誇っています。昔の日本人にとって最高の甘味はカキ(柿)であったとか。カラスも油断なく熟柿を狙っている。