=2020年の瀬 過ぎ去るものは追わない=

 

みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご利用いただき有難うございます。

生垣に山茶花、路傍に水仙や、日溜まりのよい庭にアロエが咲いています。いつの間にか冬の準備が整っていたようです。水仙は極東の固有植物だと信じておりましたが、原産地は地中海らしいですね。

水温は日本海側に大雪をもたらした寒波の襲来に伴い15℃まで下がり、直近は15~16℃台で推移しています。海の底が覗けるほど透明度が上がっていますが、湾奥では赤茶色の変色水塊が認められ、規模の小さな赤潮が発生している可能性が疑われます。

12月のチヌ類は小型魚主体に凡そ2.0尾(一人当たり推定値)とほぼ前月並みを達成しました。良型のチヌは殆ど姿を見せなくなり、目下の主体は手のひらサイズになっています。このため大物狙いのチヌハンターには達成感が得られにくい状況です。

アジ類は釣果が散発的で予測が難しい状況です。内ノ浦湾の漁港で良型が釣れていたため「これは釣り場でも行けるか!」との淡い期待が見事に外れました。小さな群れが筏周りで確認できることもあるのですが、なかなか好漁に繋がっておりません。最近2,3年、冬の主役であった小アジの大群も姿を見せていない状況です。但し、ここにきて向かい側の波止場で小アジが揚がっていたため、湾奥にも入り込み始めたのかもしれません。ヒラメが揚がったのはその前触れといえるかも。

Aさん快心の一尾(マダイ80㎝超)← 2020年のベスト大物賞(個人的基準)

“How fast time flies!” この時期になれば決まり文句のように「一年の経つのが早い!」という声が年配者の口から洩れます。人生に残された時間に想いを馳せれば、年齢が進むほど一年一年がより重みを増してくるためで、この心性に異論をはさむ余地はありません。かといって殆どの方は時間に抗う行動を積極的に起こしているわけでなく、有体に言えば “流されている”状況だろうと想います。

アメリカの歴史地理・動物学者のジャレド・ダイアモンドは人間社会若しくは文明の大変革に係わった要因として「鉄・病原菌・銃」をキーワードとして挙げました。今回のコロナウイルスは一部市民の価値観の変化を誘引しているようです。大きなうねりとなって我々の文化・文明の転換を促す要因となり得るかもしれません。

先行きは、松山千春がいうように「目を凝らせば見えるものでなく、耳をすませば聴こえるものでない」のです。それでも気分を一新し、来年は佳いことがあるだろうと願うのが、人類が見つけた災厄の乗り切り方です。そうでなければ人間をやっていられないということになりかねないから。(話の筋が違うけど)昨今の「記憶にございません」も生き延びる術の一つですが手法としては感心できませんね。

釣り場から一年のご愛顧を感謝すると共に、何方様も穏やかな年をお迎えいただくことを祈念いたします。