=海の中に春の兆し=

 

みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご利用いただき有難うございます。

紀南は梅花の盛りを過ぎました。釣り場周りの浅場に海藻類が繁茂してきました。世界最大の海藻ジャイアントケルプは一日に50㎝以上成長するといわれるが、釣り場周りのホンダワラ類もいつの間にか大きく育った印象である。そして田辺湾奥はヒロメ漁の季節へと遷っています。そのヒロメ、今年は白浜周辺で生育良好とのうわさが漏れ聞こえてきました。

水温は年明け以降15℃前後をベースに寒波や日射の影響を受けて変動を繰り返しました。一月下旬から15℃以下と、当地てしては低水温で推移し最低は2月上旬に記録した12℃でした。ご存知のように短周期で乱高下を繰り返すのがここの水温の特徴です。直近は15℃を前後しており、しばらくこのレベルで小さな変動を繰り返すのではないかと予想します。

二月のチヌ類は0.2尾(一人あたり)で、下旬に入ってから45、50㎝サイズの良型チヌがポツポツ揚がりました。釣りシーズンの幕が開ける予兆と受け止めています。とはいっても厳しい状況に変りはなく、「魚の気配が感じられなかった」とぼやくベテランの姿が多数見受けられます。今はオープン戦といった状況でしようか・・。

方やアジ類は相変わらずで好転の兆しが見えません。波止場の駐車スペースは県内外の車で埋まっております。しかし釣果は一時の爆釣が影を潜め、夕方の限られた時間帯にのみポツポツ揚がるといった模様。むしろこちらがサステイナブルな本来の釣りといえるのかもしれません。

稚アユ漁に備えて準備を終えた袋網(2021年2月)

自給自足、物々交換経済に近い我が家であるが、刺し身などは稀には購入します。で、買った当日でなく一日延ばしで食卓に乗せたりするのはわりとあるのですが、購入店によって劣化のスピードに幾分違いがあるようで、A店で購入したものは翌日になるとやや変色している一方、B店のものは比較的鮮やかな色を保っているのです。さて皆さんはどちらの品を選びますか?

「単にB店の品の方が新鮮で物が良いから、こっち!」という意見が多数かもしれない。しかし私は密かに酸化防止剤で処理をしている可能性を疑っている。エビデンスの無い個人的感想です、念のため。でも食品に酸化防止処理を施して日持ちを良くするのは割と普通に行われている。定められた食品管理法の基準を超えることはないはずであるが、複合的な長期影響については不明な点も多い。一方、全く生のままということになれば食品ロスの問題が深刻になりそうである。ただ、薬剤に過敏な体質の我が家の高齢者は加工食品や整いすぎて見栄えの良い農産物を避ける傾向にある。医者嫌いで薬を好まないのも同根かしら??

この3月11日は東日本大震災から10年目となる。地震の揺れよりも巨大津波が多くの生命を奪った。水は生命の源であるが、時に手に負えない刃となる。釣り場では常々、「万が一にも津波警報が発出されたなら車を捨てて直ちに裏山へ避難」するようにお願いしているが、単なるお題目でなく起こりうる惨事と考えて心構えをするのが重要である。アンダマン海に浮かぶ小さな島で2004年12月のインド洋大津波から村人の命を救ったのは、「地震の後は山へ逃げろ」という旧くからの言い伝えであったと現地の新聞が伝えていた。