=ファイブ・スター級の貝の味とは!?=

 

みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご利用いただき有難うございます。

潮下帯を覆っていた一年性の大型海藻は殆ど姿を消しました。陽射しを受けた湾内は深い緑色の水を湛え、プランクトンが繁茂していることを窺わせます。

釣り場の直近水温(10時前後)は23~24℃を前後しております。水温は陽射しの強さに伴って多少変動するとしても、梅雨の期間中は大きく高温側にジャンプすることはないと見ています。

6月前半のチヌ類の釣果は0.7尾(一人あたり)となりました。日毎並びに釣り台毎の変動が大きく、爆釣に近い日もあれば翌日は一転反応が消える、といった乱高下の様相を呈しました。体長25~35㎝前後の小・中型サイズが主体のなか、40㎝越えの良型も混じっています。

アイゴは良型が揚がるも散発的です。但し、確率が揚がってきた兆候も窺えます。この時期に揚がる大物とのファイトはアドレナリンのレベルをひき上げるに違いありません。

アジは20~25㎝クラスを主体に復調の兆しが認められます。これに対し小アジは幾分低調です。子サバの群れは変わらず濃く、これを餌に大物を狙う方もおります。

先般、若手のホープU氏が釣り揚げた60㎝超級のマダイは先月に揚がった70㎝超級マダイの相方だったのかも知れませんね。

紀南の初夏の味覚“ツメバイ

田辺湾の“ツメバイ(=マガキガイ)”漁が盛期を迎えています。爪のような薄片突起(鎌に近い形状)を持つことからこの名が付いたのでしよう。水揚げ量が限られていることから広域に出回ることはなく、地域特産品といった位置づけの巻貝の仲間です。

独特の甘みがあり、塩ゆでや酢味噌にするとすこぶる美味です。地元にはこれを頂かないと夏を迎えられないという年配者が多くいます。和歌山県の紹介文中に“貝の中でも最高級の味”という文言がありました。「これはまた大きく出た・・!」との印象を持った方もおられましようが、あながち誇大な宣伝ともいえません(と私は想います)。

とある初冬、遠来の旧友と入った居酒屋のメニュー中に“(つめ)ばい”を見つけ、「季節外れなのに珍しい・・」といぶかりつつも「エイヤッ!」と注文致しました。あるいは“感動の一言”でもと淡い期待を抱いていたのに、見事に外れました。恐らく冷凍品だったのでしよう。機会があれば是非とも本物の味をご賞味ください。

漁協の本部事務所では組合長が増産を企図して小さな飼育実験を(兼ねて展示?)試みています。昨年の経験では、産卵までもっていけるがその後が難しいとのこと。有体に言って養殖は稚仔の生残率を如何に上げるかが成功への鍵を握っているといえます。