=謎のフォース=

みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご利用いただき有難うございます。

梅の収穫作業は最盛期を過ぎ、農家の多くは農地や身体のアフターケア―に入ったようです。半島周辺の田んぼはすっかり緑が濃くなり、穂花が咲き始めた株がでています。ひと月余りで収穫です。

釣り場の直近水温(10時前後)は25~26℃を前後しており、ほぼ例年並みといえます。透明度は降雨の影響で濁りが入りやや低め傾向を呈しています。

6月のチヌ類の釣果は月後半に入って持ち直し、月平均で1.1尾(一人あたり)となりました。但し、日毎並びに釣り台毎の変動が大きく、爆釣に近い日もあれば翌日は一転反応が消える、といった乱高下の様相を呈しました。体長25~35㎝前後の小・中型サイズが主体のなか、40㎝越えの良型も混じっています。これは直近でも同様です。

小アジ(10㎝前後か)に復調の兆しがみられ、ある程度納得できる数が揚がっています。数は少ないものの25㎝前後の良型も釣れています。また、小アジを追ってか、セイゴ(スズキ若漁)、シオ(カンパチ若漁)、ヒラメなどの高次捕食魚も廻ってきているようです。ベテランのアジハンターNさんの顔にも笑顔が戻ってきています。

アイゴは少し前から小型サイズが顔を見せ、釣果に手ごたえを実感する日も出てきました。

マダイと相性の良い若手U氏のある日の釣果

新型コロナ感染症で人口に膾炙することが増えた言葉の一つに“免疫力”がある。しかし専門家はあまり使わないらしい。その主因が末尾の“力”で、実態のはっきりしない言葉であると聴いた記憶がある。

海の豊穣さに言及する際、“生産力が高い・低い”と云う。例えば「黒潮流域は“生産力が低い”」、「暖流と寒流がぶつかる東北沖は世界有数の生産力の高い海域である」といった具合に。

半世紀近く前になろうか、日本の海洋学を牽引していた西沢 敏先生は「“生産力”なる用語は一体何ものか&違和感がないか??」と云って疑義を呈された。記憶の底から掘り起こすと、「英語の”productivity”の訳語が“生産力”である。しかし本家には“力”に相当する”force”は無い。この用語は戦前・戦中に流布した“日本の工業生産力”という表現に由来するのであろう」。そして、科学用語して「本義に沿った“生産性”とすべきであろう!」というのがそのあらましであった。こうした歴史的経緯を識らない若手研究者は多いのだろうと臆断する。

”生産力“は当時も海洋関係の資料・論文で使用されていた。が、主流ではなかった(はずである)。ところが今や、この”生産力“は、行政文章や専門書の中でも普通の用語として地位を確立している。この間、本件について専門家の間で議論がなされたのかどうか記憶はない。単に蚊帳の外だっただけかもしれないけど、学会等で話題にはなったであろう。ともあれ私は、西沢先生に従って “力”を付けた語を用いることを避けてきた。そうして永年染みついた感覚の故か、“生産力”という言葉を見聞きすると落ち着かないのである。厄介なことだが。

しかし、厳密な定義はともかく「“生産力”という用語も有りかな」という気持ちはある。また、訳語に採択する英和辞典もある。この“力”には、ある種の雰囲気を捉え易い(=分かった気分にさせてくれる)寛容がある。ジェダイの騎士の架空の力”フォース“も理解し易い。”気“もこの類で、明確に説明できないけれど何となく共通認識を促す。そして日本人はこの”気“と親和性が高い。例えば”運気”、“おじ気”、“強気“、”空気”、”人気“、”いや気”、“移り気”・・・等々、”気“にまつわる語彙は枚挙に暇がない。

武道家は対峙した相手の力量を一瞬で把握しうると聴く。そこには現在科学の範疇を超えた未知の物理量が存在するのかもしれない。童謡詩人金子みすずなら、「視えないけれど在るんだよ!」、と云う場面。あっ、人気アニメ“ドラゴンボール”の戦闘士達は相手の戦闘力を計測する“スカウター”なる機器を装着していました。

近年、人工衛星等を利用したリモートセンシング技術が様々な分野で威力を発揮している。海の生命を下支えする“基礎生産量”を推定する技術もそうした流れの一環で発展してきた。これは植物が共通に持つクロロフイル‐aの量を測定し、これに経験や理論、実測値を足したり引いたりして推定するのである。