=四股名ときらきらネーム=

 

みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご利用いただき有難うございます。

先般の台風14号が有田付近に上陸し、近隣一帯は突風(?)の発生により建物に深刻な被害が出ている模様です。田辺地方から大きな被害の報告は聴こえてこず、釣り場も比較的安泰でした。が、仔細にみると強風による筏のズレや歪み、連結部分が拡がるなどの影響が出ています。渡り板や釣り台にも表面から見えない不具合が生じている可能性があります(11番釣り台は破損の為使用禁止)。十分ご注意ください。16号は南東沖を通過したため被害極小、幸いでした。

釣り場の直近水温は26-27℃をベースに変動しております。昨年は既に25℃を下回る日もでてきていたため、今年はやや高め傾向で推移しています。透明度はやや低めです。

9月のチヌ類の釣果は1.3尾(一人あたり)となり、ここ数年では最も低い数字でした。魚体サイズは漸減して20~30㎝前後の小・中型が主体です。

小アジ(15㎝前後か)は乱高下しておりますが直近は極めて低調です。不漁要因として湾内に侵入してきたタチウオを避けている可能性があります。そのタチウオが減ってきているとの情報があるため、アジ類の早急な回復を期待しているところです。

アイゴは今年生まれの小型魚が筏周りに群れています、アジハンターTさんは不漁のアジを諦めアイゴに活路を見出した模様。苦境時の一時しのぎであろうとも臨機応変、生物として誠に正しい選択と云えます。

小魚の群れによる波紋(サバとの漁師情報あり)

田舎にUターンして以降、相撲中継をみる機会が増えた。若い頃は試合前の儀式が長くじれったい印象が強かった。ところが、見始めると結構面白いことが判明。力士の巨大な体躯は厚い脂肪層に包まれているように見えるが実態は鍛え上げた筋肉とのこと。云われてみれば脚などバッタと張り合うくらいで、瞬発力がすごそう(夏は筋肉からの発熱で辛いであろうが)。

コロナ下の興行は盛り上がりに欠けると心配していたが、歓声に替わって力士同士がぶつかり合った瞬間の強烈な衝突音が画面の向こうから迫ってくる。鍛え上げた身体のなせる業。我々なら一発で失神、再起不能、三途の河さえ渡りそうである。静寂の中のぶつかり合いは力士のパワーの実態を垣間見せてくれた新しい発見であった。

相撲取りの四股名にはこだわりや工夫、苦心の跡が看てとれて興味深い。かつて複数文字の漢字は、音読みなら音読み、訓読みなら訓読みで統一すべしと教えられた(気がする)。しかしながら力士の四股名は両者が混じっていて必ずしも統一が図られていない。例えば、“白鳳”vs “照ノ富士”。“朝青龍”なら音訓読み混じりのハイブリッドか?

ひねりを加えた当て字(?)の四股名も目立つ。例えば “阿炎(あび)”、“翔猿(とびざる)”。 我が家の年寄りは“阿武咲(おうのしょう)“を”あぶさき“と信じていた。”宇瑠寅(うるとら)“もあった。お子様のキラキラネームを彷彿させ読み仮名が必須である。うーむ、キラキラネームのルーツは四股名にあったのだろうか、それともキラキラネーム・・、はてどっちが先だ??

日本人の苗字の多彩さは誰もが認めるところで、お隣の中国や韓国に比べても際立って多い。分家などに際して本家筋と区別するために一字を変えたという派生形も多く、芋づる式に増えていった背景もあろう。読み、仮名(やローマ字)書きなら区別はつかないが、漢字表記なら見事に違いを表わせる。

ふと頭の中で配線が繋がった。「万葉集」である。これは融通無碍な当て字の宝庫ではなかったですか。同じ文脈で語れないかもしれないが、書物に登場する古人の名が「実のところどのように呼ばれていたか不明」なものが多いという。「漢字の読みに厳密な規則がなかった」からだろう。漢字で遊ぶ(?)のは古来より日本人の得意とするところであるなら、きらきらネームも日本の伝統芸と言える。

近頃、彗星の如く登場した社会経済学者の斎藤幸平。評判の著作が「人新世の資本論」である(面白いのは確かだが、若い世代でマルクス系が評判になっているということに興味をそそられる)。この題名の読みは“ひとしんせい”。ついでに云うと、千葉県に“四街道(よつかいどう)”という街がある。近隣の住民であった当初、行先案内板を見るたびに読み方に悩んだ。固いことを言わないのが我が国の慣いであったと理解しても足裏についた米粒の如くハイブリッド読みはしっくりこないのである。若い頃のすり込みはなんとも頑固である