=海の男に栄光(&優しさ)”あれ!=

 

みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご利用いただき有難うございます。

トビが青く抜けた高い空に弧を描き舞っています。地上に目をやればコスモス。盛りを過ぎたとはいえ朝日を受けて花弁が輝く様は神々しくさえあります。実りの秋ですが、どうも様子が違う今年の秋。柿が稔らず、金木犀は沈黙を守ったまま冬を迎えそうな気配がしています。

釣り場の直近水温は前期に引き続き26~27℃をベースに変動しております。通常この時期には25℃を下回ってくるため、今年は2℃前後高めで推移していることになります。海色は“鳥の巣グリーン(造語)”、桟橋近くでは海底まで見通せる日が増え、透明度が上がってきました。湾外水の差し込みが強まっているのかも知れません

10月前半のチヌ類の釣果は1.4尾(一人あたり)となり、ここ2,3年では幾分低めです。魚体サイズは20~25㎝前後の小・中型が主体ですが、何分にも数が揚がらない印象。しかし極稀には40㎝級も貌を見せているため、運が良ければ巡り合えそうです。

アジ類、特に小アジは極めて低調で、さらに20~30cmの良型は数匹といった状況。小サバは25㎝前後まで成長しているようですが、チヌ狙いには歓迎できない存在かも。

アイゴは当歳魚が主体ですが、釣果が日ごと或いは数日間隔で変動しています。シーズンもそろそろ終盤に差し掛かっているからかも。

穏やかな内ノ浦港内を往来するタチウオ漁の小舟

かつてソビエト連邦と呼ばれていた時期のこと、船でかの地を訪れると「“海の男に栄光あれ”(もちろんロシア語)と書かれた立て看板が丘の上に掲げられている」と敬愛する師匠が教えてくれた。極東のウラジオストックもしくはカムチャッカの港の話であろう。昔のことなので現在も同じ光景がみられるのかは識らない。

記憶の中のロシア語はネットの翻訳サービスで変換した文章とは微妙に違うのであるが、師匠はロシア語に堪能であったから、恐らく記憶または聞き取りの間違いだったのだろう。ともあれ、「海に生きる人間は敬意を払われている。こちら側はそれに値する意識を持て、そして態度で示せ」ということであった。

何を言おうとしているかといえば、内ノ浦湾奥にある港への出入に際し、高速で航走する遊漁船がかなりあることである。某弱無人に疾走するジェットスキーも大顰蹙であるが、船の走行波が筏に及ぼす影響は一般の想像より大きい。筏へのダメージはもちろん、釣り客の落水事故を引き起こしかねない危ない場面にも遭遇する。特に彼らの帰港時は注意が必要である。もちろん構内徐行の法令を遵守し海上施設に配慮したデッドスローで通過してくれる優良船もある。

こうした問題は法律の整備や罰則強化だけで解決できない現実がありそうだ。他方、近頃は小型船舶やボート免許の講習会・免許の更新時に一通りの操船技術や海事法令を教授するだけに留まり、船長としての心構えや倫理観にまで訴えかける熱血講義は行っていないはず。少なくとも私はそういう講習を受けたことがない。

遊漁船の係留契約の更新時には口頭で“港内減速徐行”の依頼を行っているとのことであるが、“この先急カーブ スピード落とせ”の注意書きと似たようなもので、船長には言葉の重大性が届かず、また言われた当人も自船の曳波が及ぼしている実態が掴めていない(言い換えれば想像すらしていない)のであろう。帰港船の船足は「ホームスピード」と云って上がるのは常であるが、曳波が小型船や海上施設に襲い来る様を動画で見せるなど視覚に訴えればマナーの向上に寄与するかもしれない。渡辺真知子によれば、「港を愛する男に限って、悪い男はいない」とのことだから・・・。

さて上段でロシア語の記憶違いの可能性に触れたが、幾つかの翻訳サービスで入力する語彙を変えながら探索したところ、「海に生きる人々に栄光あれ!」が最も原意に近いようだった。ジェンダーによる分け隔てがないのですね。そう言えばソ連船には女性が大勢乗っていると聴いていた。