=新型コロナ 沿岸環境にも悪影響??=

 

みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご利用いただき有難うございます。

空き地や路傍でひときわ高く伸びたセイタカアワダチソウが黄色い花をつけています。この外来種は今やすっかり地物に収まってしまいました。

湾内ではタチウオを狙う航海灯を点けた小舟が行き交い、明るくなる頃にシラス船曳船団が奥部に侵入してきます。漁船団の共通言語はもちろん紀州弁。県外からの来訪者は「喧嘩をしているのかと思った・・」と驚いていました。

釣り場の水温はコンスタントに25℃を下回り、もう一息で20℃に到達しそうです。やっと平年に追いついてきた印象です。透明度は澄んだ冬型に変わってきています。概して釣り場の透明度は、午前中は比較的高め、午後、潮が満ちてくるのに伴って下がる、という干満に合わせた周期性があるようです。

薄明りの中を釣り台へと急ぐ釣り師達は寒さ対策で着膨れています。それも陽射しが強まると共に一枚また一枚とスリムになっていきます。誤魔化しなしのビフォー・アフター。

10月のチヌ類は20~25㎝前後の小・中型が主体での釣果は1.3尾(一人あたり)となりました。チヌの当たり年であった昨年に比べればやや落ちるとはいえ、これはほぼ例年並みのレベルです。手の平サイズ以下は尾数に加えないベテランが多いため、上記の数よりずっと忙しい釣りであったはずです。例年この時期は30㎝超えが少なくなり、さらに40㎝級は幸運に恵まれないと貌が見られません。そのサイドメニュはチャリコ、カワハギ、稀にモンツキキハタの幼魚など。

アジ類は25~30㎝超クラスが片手程度。小アジは極めて低調です。サヨリが1番釣り台付近で群れているとの情報が入っておりましたが、現在、釣果を期待できるレベルではありません。

アイゴは引き続き当歳魚が主体で、20㎝超級は数尾前後となっています。釣り場はレジェンドN氏が永年の経験から導き出した “アイゴ釣りの好適水温”の下限値を切ってきました。周囲からも「多少喰いつきが悪くなった」との声が聴こえてきます。ベテラン・ハンター氏の口から釣りシーズンの終了を告げる言葉さえ漏れていました。但し、観客のカーテンコールが届けば再登場の可能性があるかも。なお、補足情報では釣りができる下限は19℃とか。

 

 長老たちのサメ釣り(種類は何?)

新型コロナ禍はほぼ二年になろうとしている。この間、社会生活の様々な分野に影響が出ています。目立たないところでありますが、自治体や有志住民が実施する田辺湾岸の清掃活動も中断しています。行政や地域団体が主体になる清掃活動は海岸に打ち上げられたプラ製品が対象で、木材や海藻片は外している場合が殆どであっても一回の清掃活動で軽トラ数台分のゴミが回収されています。従って、美観と環境の保全に幾らか影響が及んでいるはず。そうした中で個人レベルで目立たず活動されている方がおられるのは有難いことです。

以前にも記したように、近年、海洋のプラ汚染への懸念が急速に高まっています。既に多くの海生生物の体内からプラスティック(以下断りない場合プラ)粒子が確認されており、ごく最近の記事は、調査した海鳥の半数以上からプラ由来物質が検出されたと告げていました。また、空中を舞うマイクロプラの濃度が増加しているとの懸念が表明されています。

鳥や海生生物がろ過摂食や誤飲から体内に取り込んだ結果死に至る直接的な害は、“軽石を呑み込んだ魚が死亡した”という最近のニュースが好事例となる。微細なプラ粒子が排出されずに体内に留まり、これが生物体にどのような害を及ぼす可能性となればその影響実態が正確に評価できていないのが実情である。生物に取り込まれたプラ起源物質は食物連鎖を通じて巡るうちに生物体内での濃度が高まる(=生物濃縮)。実に憂慮すべき事態が進行していることは間違いなさそうです。

海岸に漂着するゴミの中ではプラ素材の包装材や飲料のボトルが目立っています。但し、レジ袋はN環境大臣が力を入れた“レジ袋無料配布禁止”法案の施行後、かなり減った印象を受けるので、この“セクシー政策”は一定の効果があったのかもしれません。その一方、”蜜”を避ける釣りの人気が高まったせいか餌のプラ袋が目立ってきているのが気が掛かりです。

このように眼に見えるものの他に、洗濯の際などに化繊の衣類から脱落する繊維片の排出量が莫大であると指摘されます。我々はあまりにも微細で量が多い進出気没な敵の前で呆然と立ちすくんでいる状況である。政治家も行政も見ないことにしているのだろう。

どうもプラ戦争は長期戦になりそう。孫子の“兵法書”では最も避けるべきものとされるが、今となっては個人レベルでも可能な分野から進めるしかない。海岸清掃はまことに小さな取り組みであるとしても、歩みを止めるよりはるかにましである。

本来の居場所から飛び出て新たな場所に居を構えた新型コロナやセイタカアワダチソウはコントロールが効きにくい。環境中に漏れ出たプラスティック類も似たようなもので、すっかり嫌われ者になってしまった。どこで間違ってしまったのか。ところで「地球生態系にとって最大の厄介者がアフリカから放散した現生人類」というのが生物学者 福岡伸一が何処かの媒体で述べていた見立てである。さすがドリトル先生、慧眼である。

===お知らせ===

・釣り場の駐車場が工事の関係で利用スペースが制限されています。特に土曜日やカキの引き揚げ作業が始まる11月中旬以降は利用いただけない場合も予想されます。

・カキの引き揚げ作業に伴って使用できない釣り台が出てきます。

ご注意、ご理解のほどお願いいたします。