==開き始めた秋の扉==
みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご愛顧いただき誠に有難うございます。
鳥の半島の付け根に立つサルスベリの花がシーズンを終えました。いつもより開花が遅れた彼岸花があちこちで存在感を発揮しています。
先の降雨以後、釣り場の水温は30℃を下回ってきました。直近は既に27℃前後で推移しています。
釣り場で計測している水温記録を調べたところ、今夏は≧30℃の日が50日に達しました。東南海地震の緊急注意報の発令と台風襲来に伴い閉場となって記録のない日が7日ありますから、先の日数に上乗せされれば55~57日は30℃台で経過したと推定されます。
参考まで昨年の記録をみると、≧30℃の高水温は32日程度でした。それに比べるとほぼ倍の期間、超高温であったことになります。マスコミは長引く残暑と熱中症への注意を盛んに報じておりますが、身近な海でもこういう状況になっていました。
「お盆を過ぎると風が涼を含み、夜の寝苦しさが遠のき、また海にはクラゲが増えてくるから海水浴には注意!」という季節感が頭に刷り込まれていたのに、こういう時代を迎えるとは、です。下草の伸びが衰えないのは長くて厳しい残暑のせいでしよう!? にしても釣り場の水温、数日の間に4℃も低下するとは・・・???
このような水温の激変にも拘わらず海の色はここしばらく緑ベース、それに呼応して透明度は下位~中位で経過しています。
9月のチヌ類は3.1匹(1人当たり:暫定値)で前期並みの値になりました。小型魚主体の中で稀に良型が混じる状況ですが、40㎝超えは前月に比べさらに少なくなってきました。この状態がこれからしばらく続くと想われます。
アジ類は、時に“青“ワールドになることもあったものの、月を通して”赤“が少々~まずまず、という状況です。直近はやや下振れ気味の日が多い感触を持っています。
アイゴはN&T師の常連メンバーに加え、「涼しくなったから」とベテランHさんが参入してきました。獲物は小型(いわゆるバリコ)を主体に数十尾、そこに片手前後の親魚が混じる状況です。つい先日、アイゴの干物のおすそ分けに預かりました。地域のB級グルメですが、小さいのは手練れていないと捌くのが難しいそうです。
夏の気配が残る海面を滑り行くカヤック部隊
今年の我が家の菜園は熱波に加えて雨が降らなかったため水不足に陥ってさっぱりでした。キュウリやナス、サトイモなど夏野菜は結構水を必要とするのですね。サトイモなどは梅雨明け直後まで青々と葉を茂らしていたのに、いつの間にか枯れ落ちてほぼ壊滅です。元気なのはゴウヤくらい。
前報で記したように今夏は海の中もお風呂に近い状態が特別長く続きました。海は陸上に比べて水温の変化が小さいので、そこで生活する海生生物にとって1℃、2℃の差は陸上生物以上に影響が大きいはずです。例えば、回遊魚を追って漁をする漁船は1,2℃の水温差に神経を払います。
遊泳力のある生物なら不適な環境から逃避することができても海藻や付着動物、海底を這う底生生物(=ベントス)は簡単に住処を変えることができません。彼らにとって今夏は快適と云うよりは“熱っちっち”の温泉状態だったと同情すら覚えます。長期的には海中景観などにも影響が出てくる懸念があります。
以前に小学校の水泳訓練は鳥の巣海岸の砂浜で行われていたことを記しました。この行事の開始時期は水温を測定(先生又は父兄)して決定していました。グリーンランプが点灯する基準が何℃だったかはっきりしないのですが、恐らく28℃ぐらいに設定していたはずです。水温が低いと子供はお腹を壊しやすいですから。
ここまで記して少し気に掛かったので遊泳の適水温は調べてみたら26~31℃とネット情報にありました。今夏、海水浴場の開設期間を延長した白浜も水温に限ればまあまあの線で収まる決断だったといえます。天候や風の状態で体感温度が変わるし、個人差もありますけれど。
他方、競泳プールはこれより低い25~28℃の範囲であることが規定されています。筋肉からの熱の発散が大きいですから。学生時代、水泳クラブで泳がされたシーズン当初の屋外プールは水温19℃でした。強烈に寒い想いをしたのでよ~く記憶しているのです。今なら人権問題のレベルかもしれませんねえ。
数日前から朝は羽織るものが欲しくなりました。あれ程かしましく鳴き交わしていた蝉の鳴もいつの間にか姿を消した様子。「1年が経つのは早いですね・・・」、ボソッと釣り場のお馴染みさんが漏らしました。まったく同感です。何方様も夏の疲れを引きずらないようご留意ください。