===雨が物語を紡ぐ===
平素は鳥の巣釣り場をご愛顧いただき誠に有難うございます。
鳥ノ巣半島の水田ではi稲の実入りが進み始めました。高い気温を反映してか昨年(もちろん例年)より数日前倒しになっています。問題は今後の水の具合と病気並びに高温障害の程度でしようか。国内のコメどころの多くは鳥の巣半島より気温が高いうえ、長引く暑さが米の品質にダメージを与えます。今年の米生産は量も品質も安心できません。
釣り場の水温は高い気温を反映して例年より高めで推移しており、7月1日に30℃の大台に達しました。例年、30℃台になるのは7月後半になってからなので、掛け値なしに”10年に一度の出来事(昭和100年で最も早い記録?)”です。
販売中のイワガキの産卵は26℃を超えたあたりから始まります。タンク内での産卵はまだ確認されておりませんが、例年なら7月中旬。これが大幅に早まる可能性がありそうです。
透明度は引き続き中位で蒼緑の水塊に覆われています。水温が上がって以降、透明度は幾らか高くなった印象を受けます。
6月のチヌ類は1.0尾(一人当たり)でした。サイズは30㎝前後のものが主体のなか、月末は40㎝超の良型がまとまって揚がり、50㎝超の大物も複数尾混じっていました。この時期に大物がこれだけまとまるのはちょっと珍しい経験です。サイドメニューはチャリコにオオモンハタの幼魚というところ。
アジ類は豆アジ主体に数はそこそこ揚がっています。もう少しサイズが大きければ歓び倍増となるのですが。
アイゴは良型が両手前後というところでしようか。Yさん家のグルメ猫は干したアイゴがアジやマダイと並び好物であるそうな。対して主人はバリコ(=アイゴ幼魚)の方が好みとか。我が家ではアイゴハンター氏から数尾頂戴し、干物にして戴きました。立派なB級グルメです。
滅菌水槽内で販売を待つイワガキ
ここしばらくお日様が照り付けるカラカラ天気が続いています。こうなれば湿り気が欲しいところです。一方で、雨に対して世相はネガティブの印象が強いのではないでしようか。地元の高齢者連中からもしばしば「じめじめした雨の日は気分がすぐれない・・」といった感想が漏れます。
世相を映し出す流行歌の世界を眺めてみても、“雨の物語”、“雨のハイウエイ”、“水色の雨”、“rainy blue”、“雨の慕情”・・。みんな別れがらみです。
太田裕美の“雨垂れも”もウエルカムなのかノット・ウエルカムなのか。日本だけではありませんぞ。米映画“明日に向かって撃て“の主題歌“雨にぬれても”だって何となく重苦しい雰囲気が漂っています。
日本の童謡“雨雨ふれふれかあさんが”には数少ない雨降りを愉しんでいる様子が看て取れます。しかし柳の下で雨宿りする子供の背後には単に傘を忘れただけではない淡い悲しみが感じ取れます。
結論を急ぎ過ぎるかもしれないけれど、雨という存在が佳いことにしても悪いことに対しても演出効果を高めているのかも。サザンの“津波”の一節に “想い出はいつの日も雨・・・”とありますが、う~ん、本質を衝いているのかも。この辺り、この音楽バンドが永く一線で活躍してきた秘密の一端が顕れているのかもしれない。
鳥の巣半島の5月は梅雨の先駆けを想わせるように湿りがちな天気が続きました。梅雨が早く明けたというより早く始まって早く明けた」が実感です。そして雨量は昨年に続き今年も少雨というのが実態に近いのではないかと感じています。
テレビの中継を観ていたら、「土砂降りの雨は水が土壌の表面を流れるだけで土中に滲み込まないから水不足の解決にならない」と、さる野菜農家の方が話していました。
「森が海を育てる」とよく云われます。東北などでは漁業者が山の植林を熱心に行っています。「山に降った雨が森を育て、森の栄養分が下流に運ばれて海の生産を支える」との認識に基づくものです。
でも先の伝手に拠れば、大きな雨が増えて海に流れ込む水の量が増えても海の栄養環境の改善にはつながり難そうですね。集中豪雨のような土砂降りは極表層の土を洗い流すだけで栄養塩を水の中に溶かし込む間を与えていないのでしよう。
のみならず表土を削った大量の土砂の流入は海洋環境や生物に少なからず悪影響を与えそうです。かつて沖縄で赤土の海絵の流入がサンゴや海草の生存を脅かしたように。釣り場でも同様、観察眼の鋭い管理人のOB氏が指摘しました。「事務所周りに泥の堆積が進んで来たね!」と。
先月の下旬以来、天水に頼るこの地域の米作りは気が抜けません。落ち梅の収穫が続く梅農家も作業はやりやすいけれど、適度な雨がないと結実が進まないのだそうです。これはミカンも同様だし、夏野菜もピンチ。高水温期に釣り場に現われるサメの来訪が早まりそうだし、カキ類生産への影響も心配されます。