鳥の巣釣り場通信(2026‐10)
===オキアミの取り柄は釣り餌だけでない===
ツツジの季節が終わろうとしています。ツバキは花柄側を上にして地面に鎮座していると以前記したのですが、ツバキは花弁を上に落下しているものが半数若しくはそれ以上です。ツツジも結構立派な花ですが、花の特性が空気抵抗を受けにくいようです。
釣り場の水温は梅雨明けを彷彿させる暑さが続いたにも拘わらず意外と昇温が抑えられています。夜間に涼しいのがその一因でないかと推察します。と云っても上昇傾向にあるのは間違いなく、直近は25℃をベースに変動しております。
昇温が抑えられていると記したところが今年の水温、昨年、一昨年に比べると何と(!)4~5℃前後高めで推移しているのです。この異常ともいえる高水温、台風も勢力を落とさず北上してくるはずです。
海面は引き続き深い緑を呈し、透明度は中位となっています。先日の降雨後に湾奥で極小規模な赤潮が観られたものの、極短日で消失に至りました。
5月のチヌ類は1.8尾(一人当たり)となりました。日毎の釣果に乱高下があるものの、釣り場としては比較的好調を維持しています。サイズは25~30cm台が主体で、40cm級もかなり揚っております。ここしばらくチヌに比べヘダイの小型サイズが目立っている模様です。
アジ類は20~25cm前後がまとまった数が揚がり、ベテランTさんも笑顔が増えた印象を受けます。一時期多かった豆アジは何処へ行ったのでしよう。ベテランYさん、「豆アジは何処へ?」と漏らしておりました。
アイゴは片手前後の闘いが続いていた月末最終日、一気にトリプル増を記録。

ホンダワラの日干し:商品開発へ向けた試み
最近のA新聞で“ナンキョクオキアミ(= Euphausia superba)が地球環境の維持に重要な役割を果たしていると伝えていました。ナンキョクオキアミは体長が5,6cmぐらいで、釣り餌として馴染が深いエビに似た生物です。名前から想像される通り南極周辺の海域に生息しています。生息数が莫大なことで有名です。
オキアミ類は“ろ過接触者”として海の表層で植物プランクトン(だけに限らないと思います)を食し、一転今度は彼ら自身が餌としてクジラ類や魚類、海鳥などの生存を支えているのです。このように“食うー食われる”という食物の連鎖を通じ、地球の有機物の速やかな循環を担っているわけです。
ナンキョクオキアミは単一種としての生物量が大きい(+体サイズも大きい)ゆえ取分け人々の注目を集めているように想います。相手が一種なら沢山の種が複雑に絡み合っているシステムより扱いやすいから、「あなたに注目!」には人間側の都合も大いに働いているはずです。新聞には「オキアミが温暖化防止に貢献」といったニュアンスのやや刺激的なコピーが打たれていたように記憶します。
でも南の海でも同じようなエネルギー循環システムがあるはずです。そこでは各生物種の個体数は寒海に比べて少ないけれど、数多くの種類の生き物が、個々の役者としては少しづつであっても、食物の連環を通じ物質循環システムのなかでそれぞれの役割を担っているのです。ただ役者が多すぎてシステムが複雑なため、我々は実態を捉えるのが大変ですけれど。
ナンキョクオキアミの餌となる植物プランクトンには何種類かあります。ただ、太陽の光が届かない冬場はどの植物プランクトン種も増殖が止まるはずですから、結果としてオキアミが食す餌も減少することになります。
クマなどは餌に少ない冬場、エネルギー消費を減らすため冬眠することが識られています。さて、「冬季の間オキアミはどうして行き永えているのか?」ということです。
この問題に一つの示唆を与えたのが当時オーストラリアで研究を行っていた池田 勉先生です。先生は、ナンキョクオキアミは食物が少なくなると体サイズが小さくなる脱皮が起こることを飼育実験によって見出しました。つまり小型化によってエネルギー消費を抑えると推測されるのです。この結果は生物学者にとって衝撃的でした。何となれば、「生物の脱皮は成長に伴って(体を大きくするために)行うもの」が一般の認識だったからです。(今はもう少し地検が積み上げられているかもしれない。AIの出番です)。
ところでエビに似た甲殻類に “アミエビ”があるのを知らない釣り人は居ないでしよう。実はあれもナンキョクオキアミの仲間です(何度も記します)。アミエビは商品名であって、標準和名は“ツノナシオキアミ(=Euphausia pacifica)”と称し、日本周辺海域に生息している由緒正しいオキアミの一種ですオキアミの仲間は世界全体で80数種識られております。生物群としては種類数が少ないグループです。
ツノナシオキアミは東北沿岸では季節限定的に漁獲されており、その一部が釣り餌(=コマセ)として市場に出回っているのですす。ただ、漁獲量は国内消費量を賄うには足りず、残りは中国などからの輸入で賄っています。値段の安いのは殆どが輸入物ではないですか、多分。種類が同一でも商品としての処理には
釣り餌で出回っているから”餌だけの役割”しかないと思わないで下さいね。彼らだって海洋生態系の重要種と認識されているのですから。
ついでに釣り人に馴染の甲殻類の餌”シラサエビ”について。あれは、もしかしたら形態の似た何種類かのエビの総称かもしれませんが、私が視たのはキシエビ(Metapenaeus ensis)でした。こちらは由緒正しい(?)“The Ebi”です。値段も随分大会用ですが、餌としての効果も高いようです。
鳥の巣釣り場通信(2026‐09)
===長期予報は暑い夏とか=== 近隣の梅園で収穫作業が始まっています。釣り場への道中でも作業の一団に遭遇しました。最近知り合った梅農家に今年の作柄を尋ねたところ、「良くないなあ~、赤字だわ」と漏らされました。一次産業に難しい時代です。 海へ目を転じれば、“ツメバイ”採りの小舟が目に入ります。有力組合員O氏の小舟も採集物を携え頻繁に姿を見せています。潮の干満が大きいこの季節、組合関係者も藻場増殖関連事業のため岩礁で作業する機会が多くなっています。 ...
鳥の巣釣り場通信(2026‐08)
===自然は時に試練を与える=== 里山は新緑に満ち、下草の伸びも日一日です。この大型連休、快晴続きとまでいかないけれど初夏の兆しといって差し支えなさそうです。鳥の巣半島の田んぼは一足早く早苗が出揃いました。 釣り場の水温は20℃を超え、直近は21~22℃をベースに変動しております。 海の色は緑が優占し、透明度は中~高位となっています。今年は水温も透明度もやや高め傾向との感触です。...
鳥の巣釣り場通信(2026‐07)
===春のまどろみの中で・・=== 春は菜の花類をはじめ黄色の花が目立ちます。単なる個人的印象かとも疑っていたのですが、日本料理の世界でも「春は黄色が季節の色なんです」と講師の先生が力強く話しているのを聴き「なるほど、一般的な受け止めなのだ」と心に刻めました。 鳥の巣半島では田植えの準備が急速に進んでいます。水を溜めた田んぼに映り込む新緑はインスタ映えします。こうした映像では見えてこないけれど、里山には時期特有の匂いがあります。野外で昼寝したくなる季節の到来。...
鳥の巣釣り場通信(2026‐06)
===時代は巡る=== 新しい年度に突入しました。同じことの繰り返しのようにみえても毎年少しづつ違っています。 里山の桜はすでに葉桜に替わってきており、散った花弁が田舎道に散りばめられています。藪ではウグイスが盛んに鳴き交わしており、「田舎の春だなあ~」なんて緩んだ気持ちで鳴き声を聴いていたのですが、「あれは繁殖の季節を迎えたオスが涙ぐましい自己アピールをしている姿なのだよ」と知人が教えてくれました。野鳥として生きるのも苦労が絶えないものです。...
鳥の巣釣り場通信(2026‐05)
===遥かなる文化・社会遺産=== 3月の初めごろから鶯の気配が感じられ、雨下にはカエルの鳴き声が響き渡り始めました。自宅の桃の老木や杏が咲き始めました。春の訪れを感じます。それでも今時の三寒四温、気温の高い日が続いた後の寒の戻りが年寄りの身体に堪えます(逆もまた然り)。 釣り場の水温は気温の変動に呼応し、16~18℃をベースに目まぐるしく変動する乱高下ともいえる状況で、水中の生物にとっても快適とは云えなさそうです。 陸から眺める海は緑が優占しており、透明度は中位~上位レベルとなっています。...
鳥の巣釣り場通信(2026‐04)
===年齢を重ねるほどにやせ細る感性かな?=== 里山にうっすらと赤みを帯びた紋様が現れだしました。山桜の花芽が膨らんできているのでしよう。水仙はそろそろお仕舞になり、一方で椿の花が人目を引きつけます。またエンドウの類もぐんぐんと成長してきました。鮮やかな黄色の花を着けます。春は黄色の花を着ける植物が多い気がします。 釣り場の水温は一時20℃に迫ったのですが、直近は17~18℃をベースに上下しています。20℃といえば4月半ば頃の水温レベルですから少々焦りました。それでも通年より2℃前後高めとなっています。...