=寒いのも悪いことばかりでない!=

 

 みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご利用いただき有難うございます。

最強クラスの寒波が襲来した上旬、近隣では水道こそ凍結しなかったものの、ため池や水溜まりに氷が張りました。子供の頃はこれが普通の光景でしたが、温暖化が進んだ近年は数年に一度くらいの稀な現象になっています。

水温は一時12℃台に下がったもののすぐに持ち直し、直近は気温に呼応し15~16℃前後を乱高下しています。冷え込みが厳しかった翌日、海面をフラフラ泳いでいる暖水系のハタタテダイを見ました。低体温状態だったと想われます。凍死した魚が海底に横たわっていないか目を凝らしたのですが、そうした不幸魚は見つかりませんでした。

紀伊半島に接岸気味であった黒潮は離岸の兆候が窺えるとのことです(県水試担当者)。日本に寒波をもたらす一因とされるラニーニャにも収束の兆しがあるようです。

透明度は引き続き高めで推移しています。職場のヘルパー氏の一人に、「摩周湖並みの透明度ですね!?」と告げたら、記憶を探るように一瞬間を置き、「おうよ、全く!」と笑っておりました。この透明度の高い水は海底景観の面で好感されても漁業面では養分に乏しい貧栄養水塊なのです。

年の暮れに湾央から湾奥で見られた赤潮はツノオビムシ(錨形をした鞭毛類)と夜光虫(夏の夜など船の航跡上で発光しています)の混合群とのことでした。両種とも有毒種で無かったのは何より幸いでした。

2021年の初チヌはまだ姿をみせておりません。湾央の波止場には太公望達が並び、アジ釣りが活況を呈しています。我が釣り場は素通り状態なのか魚影が見えません。残念ながら釣り場は低空飛行がしばらく続きそうな気配です。ここは一つアジハンターTさんに魚を寄せて頂かねばなりません。

冬の一品といえばカキは外せません。この養殖場で生産されるマガキは2年続きの不漁という残念な結果でした。全国一の生産高を誇る広島湾の状況を知人に尋ねたところ、「ほぼ平年並み」との返答。三重県のマガキ生産も近年低迷が続いているので、紀伊半島に共通の原因が疑われます。

田辺湾のマガキは冷え込みを経験した後の小正月過ぎから味がのってくると言われてきました。ところが巷の消費動向は著しく年末に偏っています。これからが食べ時であるのに折角の機会を活かせないのは残念である。因みに間もなくシーズンが始まる“ヒロメ”も低水温の方が成長は良いとの認識がある。冬は苦手であるが、気づかないところでこの季節らしい寒さを必要とするものは多いということです。

パリの市場で小ぶりのカキが売り台に積み上げられているのを目にしたことがあります。ヨーロッパでは生食が普通らしいのですが、新庄ガキは加熱をお願いしています。我が家は手軽に“殻のまま蒸し“が多いのですが、知り合いはオシヤレな 「“ワイン蒸し”が抜群!!」と申しておりました。もちろん“シチュウ”や“海鮮鍋”、オーソドックスな“フライor天ぷら”でもいけます。個人の好みかもしれないけれど、軽く火を通した方が味が深まり、何より飽きない。合わせるのはさっぱりした日本酒が一般的でしようか。でもワインも「トレビアン!!」です。

過酷な環境を乗り越えた(?)新庄ガキ

返す返すも残念ですが、我が方のマガキは既に在庫を整理しながらの販売段階であることをご理解ください。運よく入手いただいた方には季節の味を堪能していただきたいものです。