鳥の巣釣り場通信(2018-12)
=やはり記憶より記録か=

 みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご利用いただき有難うございます。

 今夏は豪雨その後の猛暑、逆走台風などなど、気象に係わる様々な記録が書き換えられています。ご近所さんからも「こんな夏は初めて!」という言葉が漏れます。「あれっ、確か昨年も同じような話を聞いたぞ!?」と思っても、そこは「本当にね!」と大人の対応。先方も挨拶代りでしようし、結果として正しい指摘ですから。そうした自然のドラマの中にあって、鳥の巣半島の稲田では天気の遷り変りと競う如く収穫作業が進行しています。小金色に揺れる稲穂の海が数時間であっけなくうす茶色の切り株が並んだモノトーンの大地に戻っていきます。毎年繰り返されるドラマ。
 観測記録を塗り替える暑い夏であるにも拘わらず、釣り場の水温は30℃越えが続いた昨年に比べて1~2℃低い28~30℃で推移しています。上昇傾向から「明日辺りは超えて来るかな~?」と予想しても、見事に肩透かしの連続。結局、これまでのところ30℃越えは記録されていません。
 釣果への低水温の影響は定かでないものの、チヌ類は1.5尾(一人当たり)で昨年よりいくらか好調を維持しています。Kカップルの爆釣も釣果の上振れに貢献した他、久しぶりに顔を出されたKさんがこの季節としては極めて珍しい50㎝超を釣り上げています。その陰で、アイゴハンター達はやや苦戦を強いられている模様。


 Kさんがボラと勘違いした渾身の大物:狭い生簀を突き破る勢い・・。

 釣り場ブログが中断していたのは先にもお報せした通りです。これはブログの管理を委託していた運営会社が事業を中止したことが原因でした。アクセス中断と同時に、数年に亘る釣り場のアーカイブがすべて失われてしまいました。消してしまいたい内容に関すれば、「(アルコールの力も借りていないのに)ラッキー」の一言で片付けても、良いも悪いも含めての歴史的記録でした。特別な想い入れがなくても、記録の重みは庶民の旧い日記や記録、宮本常一がてらいなく撮りためた莫大な昭和の写真をみるだけで十分に納得できます。

 記録媒体としてもっとも長期保存が可能なのは岩石、それに続くのは紙でしよう。前者は千年~億年、生痕化石など数10億年の痕跡を留めます。紙でも千年単位の実績があります。これらには表面に印された記録意外に媒体そのものから読み取れる情報も多々あります。ただし、その保管には大規模な設備や施設が要る外、コストも掛かります。買いためた書籍の保管・処理に困っている人は大勢います。
 これに対し、磁気媒体に記録した電子データは保管場所をとらず、特有の使い勝手の良さがあります。電子書籍の便利さを享受されている方も多いでしよう。具体的にイメージできませんが、アメリカでは電子図書館なるものが登場しているようです。
 
 磁気媒体は繊細・短命という宿命を背負っていても、当面電子化の流れが止まることはないでしよう。少なくともデータの一斉喪失といった類の大事件が起こるまでは・・。普通に考えられる事態へのリスクヘッジは図られていても何が起こるかわからないのが地球の歴史。想定外とはまさに思考の届かない向こう側ということです。そうした一例がインド洋の大津波であり東日本大震災であったわけです。繁栄していた恐竜に引導を渡したのは小惑星の地球激突でした。そう考えれば、記録の保存に対して放射性廃棄物の保管並みの配慮があっても良いのかもしれません。遠い未来、ネズミから進化(?)した知性体が「ふ~む、この記号列は何チュウ意味かいな??」と悩みつつ人類の記録解読に没頭しているかも知れない。

 釣り場の小さなブログ記録の消失が記録資料(史料)の保存について考えを巡らす契機となりました。せっかく録(撮)りためたファミリーヒストリーの記録が一瞬で焼失してしまうことのないよう保存には十分ご注意を。ちなみに私は頑固に紙派を貫いています。