=秋の夜長の如何ですか?=

  みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご利用いただき有難うございます。

  この季節、夕方6時ともなればすっかり夜の帳が下り、釣り場の開錠に合わせるように6時直前に空が白み始めます。朝夕はそろそろ暖房が欲しくなる冷たさであっても、穏やかに晴れた紀南地方は野外活動に程よい暖かさを保っています。

 立て続けの台風襲来に”営業停止 → リニューアル・オープン”を繰り返した釣り場ですが、10月のチヌ類は比較的堅調で1.8尾(一人当たり)と前月並みを維持しました。また、アジやサバ、チャリコが揚がり、竿の上げ下げで普段以上に筋肉を使い、顔の緩んだ方も多かったはずです。アイゴもシーズン終盤で釣果の問い合わせがめっきりと減ってきたとはいえ、予想を裏切る如く目覚ましい釣果の日もあります。直近の水温は20℃に迫ってきました。若干の変動を繰り返しながら漸減傾向が例年のパターンです。チヌはまだ少し小さめ、アジ(赤+青)は良型サイズが増えてきたものの、青アジの割合が増え、釣れる時間帯が短くなっているようです。

 過日、プロ野球のドラフト会議が開催され、甲子園の話題をさらった球児たちも球団がほぼ定まりました。この夏、私は熱戦の結果よりも新聞に掲載される彼らの名前に興味を覚えて眺めておりました。フリガナ無しでは読めないキラキラネームが満載です。「齢を重ねたときに違和感を覚えないかしら?」と勝手な心配をしていたところ、ある先生は、「心配ご無用。周り皆が似たような名前だから!」と即答でした。

 ラジオ番組で聞いた研究家の話に拠れば、社会通念と異なる読み方を与えた “キラキラネーム“的な名前は江戸時代にもあったそうです。しかし、これほど増えたのは最近、恐らく戦後の漢字の簡略化や常用漢字制度と関係があるという見解です。例えて挙げれば、今時の”ヤンママ・ヤンパパ“にとって”月“は夜空に輝くキレイな天体のイメージが強く、”星“などと共に子供の名前に使いたい文字として人気が高いそうです。しかし、”月“は“臓器”や”腕“などの文字から類推できるように、元来“肉や身体の部位”に係わる意味合いを持っています。突飛とも思える読みの当てはめには、潜在的には“かぐや姫“や”餅つきウサギ“のファンタジックなイメージが強く根付いているためか、はたまた日本人の苗字の多様性にみられるように、柔軟な遊び心(?)が背景にあるのかも知れません。

 漢字は社会・文化的背景を表象する文字で単なる識別記号ではありません。このため、漢字の簡略化は本来持っていた心性や社会的背景に係わる情報をも失うことに繋がります。繁体字の台湾や香港に対して簡体字の中国本土の人々の間では文字から受け取る心象にズレが生じているのは十分予想されます。そうは言っても繁体字なんど、どれほど頭を絞っても書けないし読みすら怪しい。

 砂浜に書いた“戀=恋“:もつれた心もさっぱりと波間に消え・・?

 (年寄りにありがちな)夜中の目覚め時に積読状態にあった白川 静の入門書に手を伸ばしてみました。こうした要因が引き金となって受信アンテナが建ったのか、このところ文字や言葉に係わる情報への気付きが増えています。志のある方は始めてみませんか、白川漢字学へのチャレンジを!!

  11月12日頃よりマガキの収穫作業が始まるため一部の釣り台が使用できなくなります。この点、予めご了承下さい。