農・水一次生産の複合型施設拡大の兆し=

 

皆さんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご利用いただき有難うございます。

すっかり青田に替わった水田へと通じる隘路のあちこちで落下したヤマモモの実が路面を赤紫に染めています。この辺りでヤマモモはありふれた樹木です。子供の頃はこの実がおやつ替わりになっており、木に登ってルビー色に熟れたものを夢中で集めたものです。

散歩の途上、久しぶりに大きめの実を幾つか採って口に運んでみたら記憶の中にあった“ちょっと酸味が残る優しい甘さ”が拡がりました。ところが今時の小学生はヤマモモに心が魅かれない様子。昭和の子供の文化が消えてしまったようです。

因みにヤマモモはお隣の上富田町の町木に指定されており(高知もそのよう)、実を商品化して販売する事業所もあります。

海水温は25℃に届いてきました。直近は24℃を前後しています。長期間降り続く雨の影響で濁りが取れず、透明度も2m程度まで低下しています。但し、透明度の低下には植物プランクトンの増殖も関係していそうです。何れにしても特産のツメバイ漁には厳しい条件となっています。

6月前半のチヌ類は1.6匹(1人当たりの暫定値)でした。中・小型(20~30㎝台)が主体の中、40㎝超の良型も貌を見せ、好調の兆しが窺えます。サイドメニューとしてグレが主役に躍り出、その他ガシラ(=カサゴ)やアジなど。「この場所でなければ・・」ということもなく、「当たれば(?寄せれば)どこでも釣れる」という状況と理解しています。

アジ類はある程度満足できる数を確保できているようです。また豆アジも岸側を中心に引き続き群れが形成され、その中にイワシ類(中羽クラス)が混在していました。もっとも群れが回遊しているためか、釣れない時間帯の辛抱が必要です。

アイゴは引き続き好調と申し上げて差支えなさそうです。

先般、釣り場で“アナゴ”らしき細長い魚を捕えた鵜が苦労しつつ長い時間をかけて胃に収める場面に遭遇しました。

6月スタートダッシュに成功したHさんの釣果

 

“ぽつんと一軒家”というテレビ番組があります。他局の先行番組“こんなところに日本人”の二番煎じではないかと疑っている(本当のところはどうなのだろう)のですが、周りのシニア―世代に人気です。シニア―受けする理由の一つとして、一軒家の住人は殆どがかなり年配で、(外野の感覚として)不便な環境下を頑張って生活している様子にシンパシーを感じつつ、「よし俺も/私も・・・」と想うところがあるからでしよう。

最近放映された同番組の中で、山奥の渓流を利用した魚の養殖場がターゲットであった。この養魚場では渓流の王様・女王と称される “イワナ(=岩魚)とヤマメ(=山女)+ (ニジマス)”を飼育し、その養殖池のすぐ下流域でクレソンを栽培していた。養魚場の排水には魚の排せつ物や餌料の残渣などの有機物が含まれている。下流のクレソンがこの有機物を利用して成長するためすこぶる生育が良いらしい。

番組では踏み込んで触れなかったが、本来なら養殖場から河川に排出される有機物を植物が利用するので、結果として河川環境への負荷を減らすエコ・フレンドリーな栽培施設となっていた。「なるほど、うまいやり方をしている」と感心させられたが、事業者が意識してかどうかに拘わらず、昔からあったやり方なのかもしれない。

ほぼ同時期に新しいエビの養殖技術を採り上げた某公共放送の番組が放映された。これは“バナメイエビ”の陸上養殖場にトマトの水耕栽培施設を併設し、養殖場から排出される有機物質をトマトの水耕栽培に利用する、と同時に水質浄化を行う複合循環型の生産施設を紹介したもので、基本的な考え方は先のものと一緒である。エビとトマトの両者に適した飼育水はどういう性質のものか興味が湧く。“ブラックタイガー”エビの養殖でも類似施設が造られていると聴いた記憶がある。恐らく他のエビ、例えば“オニテナガエビ”などでも使えるのではないかしら。

生物の浄化能は旨くできており機能的だが効率は理化学的な手法に及ばないだろうから、施設をむやみに大型化するのは難しそうな気がする。でも“人新世”の時代は大量生産、大量消費、大量廃棄を過去のものとしつつあるから、知恵を絞った(あえて言えば)小商い的なウィンウィン施設は時代のニーズに適っているのではなかろうか。