＝“少年時代“ 鳥の巣バージョン＝
皆さんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご利用いただき有難うございます。
強い陽射しを受けているせいか里山は彩に欠け、夏枯れに近い状態。そうした中、夾竹桃が存在感を演出しています。この辺りではピンクの花が目につきますが、白や赤もあるようです。
海水温は梅雨明け後の7月18日に30℃超えを記録し、下旬の一時期大きく下降したものの、8月に入って再び大台に乗った後は30℃前後の高い水準で推移しています。現時点で30℃以上の日が23日ありました。
海の色は引き続きグリーンで、透明度は以前より低下の傾向が見受けられます。いくらか親潮系の海色を彷彿させます。月の後半になってから雨が多くなったことと関係があるかもしれません。
8月のチヌ類は1.9匹（1人当たり：暫定値）となりました。この時期のチヌは25～35㎝の中小型サイズが主体ですが、前報にも記したように40㎝超の良型も幾らか混じっておりました。このクラスを釣り上げると、帰投時の足音や雰囲気も違う印象を受けます。サイドメニューは変わらず25ｍ前後のオオモンハタやチャリコ、ガシラといったところです。
アジ類は小アジ類が主体になっており、最近はわりと好調を維持していると見受けられます。小アジの南蛮漬けは好物の一つですが、アジハンターNさんは“梅酢で漬けた“小あじ鮨”が一押しとのことです。
アイゴは釣り針の餌に反応しない苦境に見舞われつつも、歴戦の手練れ達の努力によって中位水準が維持されています。
釣り場で開催された魚のおろし方教室（記憶に残っただろうか・・）
井上陽水の唄の歌詞には正確な意味が分かりそうでわからないカオスが混在する。昭和の名曲と評価される“少年時代”もそうした例に漏れない。しかし、意味を正しく理解した人もできなかった人も同じように遠い昔に思いを馳せ、過ぎ去った時代の感慨に浸っている（はず）。
考えてみれば、サザンオールスターズの唄にも早口で聞き取れない箇所があるし、外国語詩のものなら正確な意味を知らなくても雰囲気で悦に入っている。「細かいことに目くじらを立てず、ノリで愉しめば」ということなのかも。
かつて鳥の巣半島の集落前に小さいけれども気の利いた砂浜が在りました。私が子供の頃（半世紀ぐらい前）、内ノ浦・鳥の巣地区の子供の夏の愉しみ、といえば圧倒的に海水浴でした。雨や海が時化ない限り毎午後に開設され、父兄（あるいは先生も）が輪番で監視当番を担っていたように記憶します。
子供が数十人も集まれば必然的に歓声や嬌声が響きます。ひと夏中の行事であったから、地域は結構騒動しかったはず。それでも住民から「子供の声がうるさい！」といった野暮な苦情は漏れてきませんでした。
子供の元気な声をどう受け止めるか、「日本人には風流と映る虫の音色が、外国人には雑音に聴こえる」、といった意識や感覚と通じる点があるのかもしれません。そういえばちょっと前、都会で「隣家の池のカエルがうるさいから駆除しろ！」という騒動が勃発している、という報道を目にしました。
ともあれ我々はこの海水浴場で泳ぎや潜り方、貝採りなど、海で遊ぶ術を覚えたのです。夏の終わり頃に遊泳試験が実施され、能力に応じて立ち入り可能な水域が変りました。
お遊び疲れ、傾き始めた陽射しの中を数人の仲間と家路に就くシーンが少年時代の夏の想い出として記憶に深く刻まれています。残念なことに、中学生になると海水浴行事から卒業でした。大人の階段を昇り始めるとクラブ活動等で制約を受け、自由になる時間が減るのです。
「お盆を超せば涼しくなる・・」というのがこの地域に住む高齢者の季節感覚です。海の表情も波の立ち方や水面のキラメキ、海面を渡る風の質感が微妙に変化し、それとなく秋の到来を感じさせます。
海中では”カツオノエボシ”や毒を持ったクラゲ類が増え始めるのもこの時期です。台風の通過など、海が荒れた後に毒クラゲが増えた印象を持っています。
泳いでいる最中、ピリピリと感じた後に体表面に拡がった毒針の痕を視て「やられた！」と想っても時すでに遅し。薬効があるのかどうかわからない民間療法の類で、海底の泥を掬って傷口にこすりつけ、処置終了。周りも親もそれでOKでした。蛇足ですが、数日前に内ノ浦湾奥でまだ小さなタコクラゲが泳いでいるのを視ました。今年初めて姿を表したタコクラゲも秋の到来を告げる使者と受け止められます。但し、彼らにも毒があるそうなのでご注意を。
現在、小学校は自然海岸で水泳訓練をすることはありません。この決定には”砂浜がやせ細った”ことに加えて、一時期世間を騒がせた”沿岸水域の富栄養化と汚染”も背景にあったでしよう。かつての鳥の巣海水浴場は、今“和歌山県の夕陽百選”か、何かに選ばれています。子供達が砂浜で海水浴に嵩じる姿は今や記憶の断片として旧いアルバムに収まっているのみです。