=釣り場の記憶2023=

 

皆さんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご利用いただき有難うございます。

鳥の巣半島に点在する水仙の小群落に花を付けた株が出始めています。寒椿や山茶花にはいま少し間があるようです。

釣り場の水温は12月に入って16~18℃の間で動いていたところ、先般の寒気襲来で14℃台まで下降、その後わずかに持ち直して(?)直近は概ね15℃を前後しています。

透明度は基調として青みが入り、底まで見通せる高さの日が多くなっています。久しぶりに現れたNさんが「めったにない機会」と目を凝らし、釣り場の海底地形の把握に努めていました。こうした積み重ねが釣果に影響してくるのかもしれません。

現在、湾内で赤潮(繊毛中メソディニウム ルブルム:水試情報))が発生しており、北西風で吹き寄せられて密度が高まった湾奥ではケチャップ状の変色水となっています。クリスマス前後に赤潮の発生(原因種は様々)を観るのはここ数年慣例化した現象となってきました。

12月前半のチヌ類は2.7匹(1人当たり:暫定値)となりました。サイズとしては小型が主で、稀に中型、極めて稀に40㎝前後の良型といった割合でした。また、月を通じて小型のヘダイが釣果の主体を占めていました。因みに年間を通じたチヌ類の釣果は1.3尾(1人当たり)で、昨年(1.5尾)とほぼ同水準といって宜しいかと想います。

アジ類は”青(=マルアジ)”が主体で”赤(=マアジ)がわずかに混じる程度で、この群が筏の上からも視認できました。彼らは湾内を回遊しつつ不定時に筏周辺に現れ、何時の間にか姿を消すという具合で、当たればその時間帯は爆釣気味になるという状況です。従って全く姿を見せずハンター達が首を傾げる日や時間帯も出ています、特に赤潮の発生以降は魚影が消え、軌を一にアオサギやカモメ、ウなど馴染みの鳥の姿も消えたようで、今はカラス天国です。

 

身入り促進によって出荷の時を待つマガキ

 

今年も残すところ数日となりました。カキの引き揚げ作業に集った老戦士からは期待を裏切ることなく「時間の経つのが速い!」との感想が漏れました。年齢と感覚的時間との関連については何度か記したので敢えて触れませんが、「もう年末か!」という感覚は年ごとに強くなっています。

釣り場(=養殖場)のこの一年を振り返ってみれば誠に小さな出来事の積み重ね。その幾つかを以下に列記します:

・鳥の巣半島が久しぶりの積雪に見舞われる。車がつかえないため徒歩で一時間近くかけて出勤した管理人氏がおりました(仕事への倫理観が高いですね)。

・南岸低気圧の通過に伴う強風により釣り台の屋根テントが壊滅的損害を受け今だ修復に至らず、です。

・チヌ釣りシーズンに早期化の兆候。良型チヌが2月末から3月初旬に姿を見せて本格的なシーズンに突入。アイゴも同様に、これまでよりスタートが早くなっている模様。こうした現象は昨年と共通したものです。

・台風が数年振りに釣り場を掠めるも大きな被害をもたらすことなく安堵。

・夏の高水温日(≧30℃)が31日となり、記録を更新。

・カメムシ大量に来襲。夏~秋に農作物に大きな被害をもたらした“カメムシ“が釣り場でも大量に発生し筏の至る所で緑の点描が観られました。

・フィリッピン沖の大型地震に励起された津浪の警報が発令されるも田辺湾内では若干の潮位変動が観察されたのみで顕著な被害を及ぼさず。

・養殖マガキが歴史的な成長不良。幾つかのカキ産地から同様な話が伝わってきます。他方、近所の大阪湾は成長が良いとか・・・(どういうこと?)。

・スマガツオの試験養殖に再挑戦。今年も寒波に伴う低水温に因る”へい死”が発生。その一方で、「生残魚の味は良い」との評価を多数耳にしました。

・当漁協の漁業体験・交流施設(=釣り場事務所)を拠点にした海に関する学習・観察会。組合員Y講師の活動に依って施設の利活用が徐々に増えてきています。

さて、2023年も残り数日。当釣り場は本年の大晦日(31日)が閉場となりますのでご周知・ご了承ください。本年の釣り場へのご愛顧・ご関心を感謝すると共に、月並みながら2024年が皆様にとって佳い年でありますよう祈念いたします。