==時間が留まる (カラスの)愛は止まらない?==

 

みなさん、こんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご愛顧いただき誠に有難うございます。

紀南地方の梅林は花の盛りを過ぎつつあります。王朝時代に花見と云えばもっぱら梅だったようです。「時期的には少し寒いのでないか」とも邪推しますが、モノクロームの冬景色から抜け出て春の訪れを告げる梅花に心の華やぎを覚えたのでしよう。

釣り場事務所に現れたOB氏が「ヒロメ(=ヒロハメ)が販売されていた」と教えてくれました。ゆらゆらと海面に浮かぶヒロメ漁の小舟は地元民に春を告げる風物詩です。春の訪れは目 > 音 > 肌の順番で感じるそうですが、ウグイスの鳴き声も頻繁に聴こえるようになりました。

釣り場の水温は15℃のレベルで微変動しています。海は冬らしい碧色を呈し、透明度はやや良~良という状態です。

2月前半のチヌ類は荒れ気味の天候のせいもあってか0.5匹(1人当たり)となりました。「作業筏の下で良型のチヌやスズキが群泳している」との目撃情報が多数寄せられているものの、これらが釣果に繋がっていません。残念ながら観賞するだけの高嶺の花のようです。

アジ類は湾内を回遊している青アジの群れがくれば一時的に釣果が見込める状況が続いています。アジを泳がせ密かにヒラメを狙っているYさんが先日今冬三尾目となる60㎝超を揚げました。

 

 雨の日のランデブー??

 

釣り場を縄張りにしているカラスが二羽、氷雨の中を釣り場のテント屋根で羽繕いしていました。彼らは意外と天然シャワーが好きなようで、雨降りにはこうした光景をしばしば見せてくれます。

常に2羽が連れ立って行動している様子。この2羽は人との距離が近く、網揚げの時間帯などは2mぐらいまで近寄ってきます。普段は身体を振り振り2足歩行ですが、急ぎの際は身体を斜めにスキップしながら移動します。

カラスの寿命は野生下で10~15年、飼育下で20~30年ということです(AI情報)。先の二羽は”つがい”と睨んでいるのですが、そうであれば“タンチョウツル”のように一生に亘って添い遂げるというこうとでしようか?

この問に対してAI氏から「そのようです」と返答がありました。となれば、この職場に来てからずっと同じ番を見続けている可能性が高そうです。カラスは当方の顔を識別しているだろうけど、こちらは生憎と個体識別ができないのが残念。

もっとも相手を取っ換え引っ替えしている・・・そういう浮気なカラスが居ても不思議でないのが生き物の世界。そういえばある鳥の卵を遺伝子検査したら乱婚状態だった、という研究結果があったような気がする。ハチの世界でも似たような事例が識られています。

「恋が走り出すと止まらない(by福山雅治)」といった一途なのもあるけれど、「男も色々女も色々、だから急停止や脱輪、後戻りに行先変更などなど一筋縄ではいかないことも多いのだよ、福山君!」(既に君もわかっているだろうけれど)、というのが小父さん達の経験智なんだな。

正月の日本を揺るがした能登の大震災から一月半。「あの日から時間が留まったまま」という被災者もまだまだ大勢います。当日の出来事が頭の中でぐるぐる回っているのではないかと推察されます。団塊世代に懐かしい由紀さおり女史は「・・時計が留まるの・・」で一世を風靡しました。とは言っても物理時間は順調にな経過を辿ったらしく、「良いことも悪いことも様々あったねえ」と云いながら彼も彼女も良い具合に齢を重ねています。

氷河がゆっくり動いているように被災者の凍った心も少しづつ解けていることを願う次第です(外野がとやかく言う問題でないけれど I wish their frozen hearts would thaw in the near future)。