==釣りにも山あれば谷もあり==

 

みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご愛顧いただき誠に有難うございます。

ヒロメの季節が終了しました。先般、ヒロメの養殖を行っていた超ベテラン組合員3名のグループが海路釣り場に現れ、養殖ロープの洗浄作業を行いました。

ひとしきり作業を終えた帰り際、「ヒロメも今年は終わり。また来年・・」と云いつつ小舟に乗り込んで還っていきました。これは来年もやる気満々、真に頼もしいと感じた次第です。この調子ならこれから盛期を迎えるツメバイ漁も成果が期待できそうです。

釣り場の水温は20℃を伺う水準まで上がってきており、直近は18~19℃前後で変動しています。

海は碧緑色で中位の透明度となっています。湾奥では引き続きミズクラゲがゆらゆらと群れています。

4月前半のチヌ類は0.1匹(1人当たり暫定値)と低調でした。これを象徴するかように月中旬のある日、ベテランハンターたちが総崩れという珍しい事態に遭遇しました。「どの地域もチヌは渋い、低水温状態が長引いたせいではないか!?」と漏らした一言が印象的でした。但し全く釣れないというわけでなく、50㎝前後の良型もわりと揚がっておりますが、好不漁の波が激しく、高水準を堅持していた昨年や一昨年に比べると物足りない印象は否めません。

アジ類もチヌに倣ってか好不調が目まぐるしいようです。小さい群れを釣りきってしまえば次の群れが入り込むのを待つ必要があるのかもしれません。とは云いつつも、釣り場の釣果としてほどほどに満足できる状況と見做しています。

良型のアイゴの目撃例は頻繁にあります。過日、今年初のチャレンジを試みたハンターがおられましたが、成果が無かったようです。シーズンインには今少し間があるかも知れません。

 

 

泥岩山脈(鳥の巣半島)で磯遊びに嵩じる二人

 

北海道猿払村のホタテ漁業が隣国の水産物禁輸措置の影響で厳しい状況が続いていると報じられていました。猿払村は仕事で何度か訪れたことがあったので懐かしい想い出と共に圧倒的な主力商品のホタテが売れない現況は頭痛の種だろうと推察されます。

北国の茫洋とした景観の道路を稚内方面から南下するとあちこちに豪壮な住宅が目に飛び込んでくる一画す。猿払村の主要漁港である鬼志別地区に建つ “ホタテ御殿”(通称)です。

豪壮な建物の中には高齢者の為にエレベータを設置した住宅があるとの噂でした。TYT社の最高級セダンに虎箱(=魚を入れた木の箱)を無造作にトランクルームに積み込み塩水を垂れ流しながら走っている光景を目にした際はさもありなんという想いでした。

宿泊した宿では毎夕食時にケガニやタラバガニを好きなだけ食べなさい、という感覚で提供してくれました。カニは人を無口にします。

猿払(少なくとも漁業関係者)はホタテ漁によって日本でも有数の豊かさを誇るようになったとはいえ、かつてこの地域は開拓当時の苦労を引きずる寒村で、その名残は海岸縁に点在する小さな小屋(かつての住居?)から窺うことができました(今はもう風化してないかも)。

オホーツク海域の豊かさは我々本州人の想像の域を超えており、何しろ漁船一隻が一日で4tトラック4台分のホタテを水揚げするということでした(記憶に間違いがなければ)。同じ道北といえども一山超えた日本海側ではあり得ない数字で、組合の建物からも海の豊穣さの違いは如実に読みとれました。汽水湖に生息するシジミでさえ猿払のものは大粒アサリ並み、対して日本海側のそれは馴染みのスーパーなどで眼にするサイズと雲泥の差でした。

この豊かさは流氷がもたらす恵みと云われています。とは云っても、漁業者は単に自然の恵みに頼りっぱなしということはなく、漁協は早くから漁場を分割して数年のサイクルで順番に操業を行う輪採のシステムを採用していました。また専任の調査研究員と調査船を有し漁場環境と資源量調査を行い、そうしたモニタリング結果に基づいて漁獲量を決定するなど、極めて先進的な取り組みを実行していました。

もっともここまでできるのは漁協に資金力があるからですが、”栄枯盛衰“、資源を枯渇して貧しかった昔に戻ることは何としても避けたいという強い想い(恐怖?)もあると感じました。

ところで最近の報道に拠れば水産物の販路を新規開拓すべく努力を重ねているようで、幾らか展望が開けつつあるようです。そうした販路の一つとしてマレーシアの名が挙がっていました。マレーシアはイスラム教を国是とする国で、畜産物は宗教上の制約が絡み(ハラームvsハラール)、それが日本人には理解しにくい面も多いのです。この点海産物は禁忌の問題がない(若しくは少ない)から対応しやすいはずです。

ところでホタテの干し貝柱は好物の一つですが、値段の高いのが難点でした。この機会に少し安くならないかしらん。その代わり干しナマコは高くても構わないから。