鳥の巣釣り場通信(2026‐03)

===春の兆しがあれども海の幸は渋めか===

 

早咲きの水仙や梅が散り始めた模様です。下草も所々に緑に息吹が感じられるようになりました。いつも通る田舎道の椿、今年は開花したのかどうか未確認。果たしてうっかりなのか余裕がないのか・・・??

釣り場の水温15℃を上回るようになり、直近は17℃前後で変動しています。最近3年間のこの時期の水温は15℃を前後しているので2~3℃程度高めとなっています。紀南地方に積雪をもたらした先の寒波時にも水温の下がり方が小さかったため、黒潮の接岸と関連した高水温傾向と考えられそうです。

透明度はこの高水温に呼応してか高め基調となっています。海のベテラン氏も「海の澄んだ期間が永く続くなあ」と漏らしておりました。

2月前半のチヌ類はほぼ寒波と荒天で釣り日和は数日に留まりました。魚影は前半に薄かったのに対し月半ばになってから40cm越えの良型が数尾揚がり、これはシーズンに向けて期待が持てるのではないでしようか。水温は変動を繰り返しつつもこの先は上昇傾向にあるため希望をもって状況を眺めています。

アジ類は荒天の影響を受け釣果情報が入手できておりません。湾奥の波止場では釣り人の姿が絶えることがないため、引き続き湾内にまとまった群れが常在しているのは間違いないところです。また「大物が筏をかすめて泳ぎ去った」という情報も飛び込んでいます。さらにサイドメニューといえるのかどうか、スズキの幼魚が幾らか揚っていました。

筏周りのボラの群泳はまだ続いています。想定した以上に長期現象となっています。今までにない光景です。

 

滅菌タンクのなかで出荷を待つマガキ

 

当養殖場(=釣り場)のマガキの出荷が続いています。「今年も美味しく頂きました!」と好評を戴く一方で、「身痩せした個体が多い」との声も耳にします。そうした声も気になるため幾つか調べたところ、「殻は成長してきていても中身が伴っていない個体が多い」という印象を受けました。

赤潮が収束して以降、水温が高く透明度の高い状態が続いていることから養殖場周辺域の餌が十分でなかった可能性が考えられます。マガキとすれば「もっと餌を~」という叫びでしようかね。2月後半に入り幾らか透明度が低下してきた様子が窺われるので餌環境の改善につながれば、と願っています。

蛇足ですが、とある”アコヤガイ”養殖場では”カイリンガル”なるものを使い、担当者が「おい、貝の元気がなくなったぞ!」とか「餌が足りないのではないか?」とかいいつつ貝の生理状態の把握に努めているそうです。

ご存じのように水産界では瀬戸内海におけるマガキの歴史的な不漁が大きく採り上げられております。このへい死原因として、夏の1)高水温、2)高塩分、3)餌の不足、および4)貧酸素が(個別または複合)要因として養殖現場並びに研究サイドから指摘されております。現時点ではいずれも決定打にならず、素直に言ってよくわからないということです。

広島県のマガキ養殖は全国トップクラスの生産量を誇っており、行政サイドの関心も極めて高くなっています。県の研究機関でもマガキ養殖を専門に調査研究を行う部門が設置されているほどですから。

広島県の場合は2年貝が主体の3年貝が若干という構成の出荷となっていることから、来冬の生産も極めて厳しい状況に陥っているはずです。一年貝でする出荷の当場などと従ってダメージも大きく回復にも複数年を要することになります。

へい死原因の早期解明に関して当該研究部門へのプレッシャーも強いはずですが、先にも述べた通り“長期戦が必定”の様相を呈しています。研究部門もマンパワーが少ないところへきて目先の業務や課題研究に追われているため、データの蓄積が限られております。

従って突発現象が起こった場合に各方面から「原因は?」と尋ねられても「う~ん」としか答えられないことが多いのです。残念ながら、それが現状です。

ただ今回のマガキへい死問題は世間の注目度が高いことから今後は思い切った予算措置がとられるはずで、何とか原因の究明が進展することを期待する次第です。当漁協にとっても他人事ではありません。

ところで新庄漁協管内では天然ガキ(“マガキ”と“マガキと多種の交配種”とみられる)も少量ながら採られています。ところがこの天然ガキが今年はすこぶる不良です。天然ガキはもともと年毎の変動が大きいのですが、今年の不漁はこの10年で最悪といえる状況です。「夏の赤潮で死亡した個体が多かったのでは?」と推察しているのですけれど・・・。

不漁と言えばもう一つ、紀南の初春の幸”ヒロメ”も「今年は不良」との声がしきりです。加えて〝アオサ”も良くないようです。こちらは高水温(=暖水系水の接岸)の影響が大きいのだろうと推量します。

自然は複雑系ですから人間にとってすべて都合よく回るわけではありません。その人間においてさえ、立場によって「運が良いとか悪いとか」がありますから。

 

鳥の巣釣り場通信(2026‐02)

===紀南の海辺に春の息吹===   紀南では梅の花が咲き始めており、梅林は日ごとに色づき賑わいを増しています。水仙もあちらこちらで眼福を運んでくれます。水仙は北風の吹きすさぶ里地であっても、日当たりさえ良ければうらやましいぐらいに元気です。そういえば釣り場周辺の枇杷も控えめながら花をつけています。 釣り場の水温は、月初めは黒潮系水の影響でやや高めであったものの、その後の強い寒波襲来で15℃を下回るようになり、直近は14~15℃前後で変動しています。いささか乱高下の様相を呈したものの、今はほぼ例年並みといえます。...

鳥の巣釣り場通信(2026‐01)

  ===2026年おめでとうございます===   新しい年が始まりました。寒波で荒れ気味の天候のなか、釣りには厳しい幕開けではありました。その後も断続的に荒れる日が巡って来ておりますが今後に期待を抱きつつ、今年もどうぞ宜しくお願い致します。...

鳥の巣釣り場通信(2025‐21)

===時間は止まらない===   下草の冬枯れが進む中、存在感を放っているのは水仙です。庭木として植えられた山茶花があちこちで大ぶりの花をつけ、景観にアクセントを加えています。この樹種と間違えやすい寒椿の開花はもう少し先になります。花といえば、「今年は千両が咲かなかった」と年寄りが漏らしておりました。 寒さが増して釣り場の水温がコンスタントに20℃を下回るようになり、直近は17℃付近で微変動しています。...

鳥の巣釣り場通信(2025‐20)

===瀬戸内海のマガキに異変===   常緑樹が優占する紀南の里山にあって、数は少ないけれども落葉樹が色づき、強まった北風に葉を落とし始めております。秋の深まりを感じさせます。この季節、ほっこりした小春日和であっても朝夕は冷えます。師走を目前にして寒さが一段と増した観があります。 水温は11月中頃に20℃を行ったり来たりという状況でしたが、直近は20℃をわずかに超えるレベルで推移しています。...

鳥の巣釣り場通信(2025‐19)

===辺境はタイムカプセル?===   金木犀がシーズンを終え小さな花が地面を黄色く染めています。またこの季節に路上でよく眼にするのはドングリです、ドングリやシイの実の凶作が各地から伝えられ、これがクマやイノシシを人間の生活圏に差し招く要因になっていると云われているものの、「我が散歩ルート上では決して少なくなさそうなのに」と想いつつ踏みしめています。そうした中、珍しく落下したアケビの実を見つけました。子供の頃はおやつ替わりの木の実、東北では天ぷらで食す地域もあるそうですね。...

鳥の巣釣り場通信(2025‐18)

===潮風は健康長寿に効果?===   10月半ばを過ぎても半袖シャツで十分過ごせていたところ、先頃急に冬の扉が開いたかの如く寒気が侵入し、長袖だけでは間に合わず薄手のカーディガンを重ねるまで一気に衣替えが進みました。冷気を感じ取ったのか金木犀も香りを放ち始めています。 海に目を転じれば、薄明の海面を行き交う“タチウオ”釣りの小舟。秋の深まりを感じます。釣り場来場者の方々も朝は冬とそん色のない衣装に替わりました。寒さを耐えるのはストレスですから、万全の準備は重要です。...

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