=海を漂うプラスティック・ゴミ= 

  みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご利用いただき有難うございます。

 ヘッドライトを頼りに釣り場へと急ぐ夜明け前の道、秋冷では言い足りない寒さを感じます。早朝の水仕事は二重重ねの手袋が要る季節になってきました。先週はまだ穏やかに晴れた昼間には気温も上がり、心地よい風を受けた筏の上でウトウト舟を漕がれたお客さんも見受けられました。それでも冬への間口部が徐々に大きくなっています。

 釣り場の水温は昨年よりやや高めの20℃前後で推移しています。11月前半のチヌ類は20㎝台の小型サイズが主体ながら3尾強(一人当たり)と今季最高を記録しました。アジはかつての爆釣状態がひと段落したものの、20~30cmサイズの赤アジ(マアジ)主体に十数日匹前後の釣果がみられます。アイゴは大方がシーズン終了と判断したこの時期にも拘わらず30尾前後を連発して釣り上げる方もおり、また、最近は数が限られるものの30cm越えの大型サイズが混じっています。チャレンジャーには幸運の女神が微笑むものですね。

  北風の強まるこれからの季節、田辺湾の地形的特性から湾奥に打ち上げられる漂流ゴミの量が増えます。最近、プラスティック・ゴミの悪影響に懸念が持たれ様々な媒体で取り上げられているため皆さんも存じかと想います。海岸への打ち上げゴミの掃除をしていると、分解しにくいプラゴミは気になる存在です。主要なものは飲料容器、レジ袋、パンやキャンディ等の包装袋、肥料袋、野菜の苗のポット、弁当の彩に使われるバラン、そして釣り餌用プラ袋もかなり多いのです。晩冬から春先には枯れ死した海藻の打ち上げが増加し、そこに筏のフロートが砕けた細粒片がまとい付き海岸に漂着・蝟集します。

 プラゴミが魚類やウミガメ、クジラをはじめ多くの海生生物が体内に取り込まれている実態が明らかにされています。ごく最近、釣り餌に使うオキアミ類が細粒化したプラスティック片を摂取し、消化管内でさらに微粒化して環境中に再放出する可能性を示唆する研究が公表されました。こうして食物網を通じて循環するマイクロ・プラスティックは追跡するのが極めて難しくなるため、事態は予想以上に深刻です。化繊の衣類も洗濯等によってマイクロ・プラスティックの大きな排出源になっているのをつい先日知りました。現在文明は厄介な問題を抱えています。

 大風が吹き荒れたのち漂流ゴミの大軍団が襲来したとある朝の釣り場 

 多くの漂流ゴミは深い海底であるいは海岸の砂泥の中に埋もれていきます。「見えなくなって一先ずOK!」、とするのか・・・。石炭は太古に繁茂した植物遺骸が炭化したものです。遠い未来、こうしたゴミの堆積した層を発見した知的生命体が“ホモ・サピエンス廃棄物層“とでも名付け、「炭素系物質起源らしい。枯渇した石油の代替資源として利用できるかもしれないピー!」。「散在しているため回収コストが高い。コスタが見合うかどうかピーピー!!」といった遣り取りをしているかも・・・?? 恐らく原材料の残存埋蔵量や環境意識の高まりから数十年間という短期間に集中せざるを得ないプラゴミ層は皮肉にも精度の高い地層年代の基準堆積層となり得そうですが、この素人考えは如何でしよう!? 

==お知らせ==

 現在、釣り場ではマガキの収穫作業が行われております。このため一部の釣り台は利用できなくなっております。予めご留意頂ければ幸いです。