=釣り場の食物連鎖=

 みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご利用いただき有難うございます。

 冬枯れの紀南の里山に白い花を咲かせた水仙の小群落が点在し、また南天の紅い実が彩を添えています。梅の蕾も膨らみ、一分二分咲きの木もちらほら。この時期になると日長も延び春へと向かう季節の移ろいを感じさせます。

  釣り場の水温は極端に低温であった昨年にくらべやや高めで、ここしばらく13℃前後で推移しています。北西風の強い日も多いなかで、青アジ+赤アジにサバ子混じりでどの釣り台でも成果が見込めそうです。喰いついたアジが食いちぎられる、あるいは仕掛けを切られるといった大型魚による被害が頻発し、数人の達人によってこの中の一つは50㎝級のヒラメであることが判明しています。

 その後さらに70㎝のブリ(=関西の呼称ではメジロ)がNさんの手で釣り揚げられました。それまで頻繁に仕掛けを切られ、エイ犯人説に傾いていたNさんはびっくり。しかし、「燃油を焚かなくても大物が釣れた!」と大満足の態でした。アジ・サバ→ヒラメ・ブリ(鵜)→人間と、食を巡る連鎖が見事に具現化されています。私も高位捕食者としてアジ・サバをご相伴に預かりました。

 釣り場の珍客:チラッと目が合ってしまった!

 今年初となるチヌ(43㎝)がSさんの手によって釣り揚げられたことを併せてお報せいたします。この快挙に続く二の矢はまだ放たれておりません。来場者の殆どがアジと、あわよくばその背後の大型魚狙いというのが大きな理由です。

 今冬、まるで刺し網を仕掛けた如く釣り場の養殖用かご網にア突き刺さって身動きのとれなくなったジが見られました。「しまった!!」とアジ語で叫んだかどうか?? かご網は刺し網の透明で細い糸に比べ太くて丈夫です。この珍奇な現象は魚影の濃さの反映でしようが、アジの群の動きは見事に統一が取れ、複雑な運動を繰り返しても仲間同士で衝突する個体など見られません。至近距離の流れを感じ取る感覚系が発達している一方、静止した前方の網などを視認する視覚系は感度が低いのかもしれません。

 気持ちよく(?)泳いでいたはずがとんだことに!

 春節(2月5日)がやってまいりました。東南アジアの華人社会ではGong Xi Fa Cai(恭喜發財)と印字された赤い幟やポスターがあちこちの店に掲げられていました。商店も大方が休みとなるため食事や買い物に苦労した記憶があります。沖縄でも旧正月として祝うようですね。西暦の正月を“新春”とするより、こちらの方が余程体感の春に合致します。