=若き日の大きな勘違い  ←  反省=

 

みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご利用いただき有難うございます。

田辺湾奥でハマボウが鮮やかな黄色の花を付けています。鳥巣半島の入り口に根付いた木は枝振りが立派で、釣り場へのゲートウエイとして良い目印になっています。軌を一に周辺の田んぼでは稲の穂が膨らみ、稲刈りが視程に入ってきました。

釣り場の水温はほぼ23~25℃の範囲で変動しています。例年より幾らか低め傾向です。陽射しが届かないことに加えて雨が水温の上昇を抑えているようです。面白い状況に遭遇しました。先日午前の定時観測時に22.5℃と、この時期としては驚くほどの低水温を記録しました。気になって午後の下げ潮時に再測定したところ、濁りが強く水温はなんと2℃近く上昇していたのです。翌日午前は前日並みの低水温に下がっていたのに対し、午後は濁りも弱く昇温は認められませんでした。

観測水深に加えて天候や降雨量、潮の干満、潮汐流、風による風送など様々な因子が絡み合って目まぐるしい変動を招いていると考えられます。全体としてみれば、他の時期に比べれば現在の釣り場は低塩分化しているはずです。かくして、釣りには難しい水中環境になっているようです。

7月前半のチヌ類の釣果は1.1尾(一人当たり)で、ほぼ例年並みの数字でした。周辺を彩るのは小型のグレ、チャリコ。アジ狙いには深場で20㎝前後が数匹、やや浅めで豆アジが数十匹のレベルに加えてシオが混じってきます。ツバスは顔見世の機会がぐっと減りました。アイゴについてはアイゴ・ハンターのあの手この手の努力にも拘わらず芳しい成果が得られておりません。有体に言って低調です。

日本の梅雨はと言えば伝統的に“しとしとぴっちゃん・・・”、湿っぽくてうっとおしい一方、特有の風情があり詩や歌の格好の素材となってきました。また、この時期の雨は水消費が増える夏への備えとして大きな恵みでした。ところがここ10年、雨パワーが格段に上がったのは間違いなさそうです。数少ない経験ですが、熱帯のスコールはバケツの水を流すような激しさがあります。面前で暴れている豪雨そのものです。都市伝説の類かもしれませんが、「日本車の標準仕様では水密が不十分!」といった風説も耳にしました。「窓の外は雨・・・♪」なんて鼻歌がでる気楽な状態は遥かあちらで、ワイパーを高速稼働しても視界が開けずとてもじゃないけど車を走らせる状況ではありません。

その現地では雨期ともなれば頻繁に冠水や土砂崩れが報じられていました。当時は「下水・排水に係わる社会インフラが整っていないからだろう」と(夜郎自大にも?)想っていました。確かにそうした面も少しはあったでしよう。ところがどっこい、近頃の日本ではさらに悲惨な状況が頻発しているではありませんか。今や海岸域は津波、津波の心配がない川筋は洪水や土砂崩れの危険が潜み瑞穂の国から安住の地がなくなっていきます。かつての見通しの甘さは「大いに反省」(近頃頻繁に耳にするあれ!)です。

ついでに子供時代の“大いなる勘違い”を白状しておくと、「風は山の木が興している」と信じ込んでいました。実態は全く逆ですね。この程度でも還暦過ぎまで生きていいけたのは幸いでした(← 奇蹟という声も承知しております)。

ハマボウ:鳥の巣半島へのゲートウエイ