=新型コロナ的夏休み=

 

みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご利用いただき有難うございます。

旧盆明けの海岸あちこちに精霊船の残骸が散在していたのがその昔の田辺湾の光景であった。中には磯遊びの道具に使いたい欲求に駆られたほど立派な船もあった。今は船を形だけ海に浮かべてゴミ集積場へ運ぶのが慣いである。そのためか船の造りも簡素なものである。故人を懐かしむ儀式と共に夏の夜の風情が消えつつあるが、ごみ(?)の散乱した海辺に眉をひそめることはなくなった。

釣り場の水温は30℃を往ったり来たりしています。8月前半のチヌ類は1.3尾(一人当たり)でした。前月までに比べてやや小型に遷ってきたとはいいつつ、時に40㎝超えも姿を見せ、チヌハンターにとっては悪くない釣果です。炎天下のある日、日傘もささず黙々と竿先を見つめている釣り師あり。隣の釣り台のベテランSさんが「彼はすごい!」と一言。武道家は相対した瞬間に相手の力量が判るという。釣り師にも当てはまるのでしようか、「戦闘能力3桁!」といった具合に? 釣果も圧巻で人が泳げるような大きな生簀網のなかをチヌが群泳していた。

アジ類は引き続き深場で25㎝前後が数匹、やや浅場で豆アジが数十匹、さらにシオ(=カンパチ幼魚)なども釣れています。アイゴは、Nさんが「秋まで釣り休業(=コロナか?)と漏らして帰ったぐらい低調だったが、年間券をフル活用したanother N名人の孤軍奮闘の執念が実ってきたのか、8月に入ってアイゴの顔を見る機会が増えてきました。

  暦の上では立秋。全国各地で観測値越えの暑さが続く中では「冗談がきつい・・」というのが大方の感想だが、かつては皮膚感覚に合っていたのであろう。北海道で暮らしていた半世紀近く前25℃を超える日はひと夏で一週間あるかないかであった。この温度、道産子にとってはクリティカルであったが、もちろんこちらは平気であった。むしろ渡道直後の1,2年は半袖シャツを着ることができなかった。所用でお盆直前に稚内を訪れたことがあった。その際今夏一番の暑さと言われたが、気温は26℃止まりで道北特有の強めの風が吹き抜けて物足りない暑さであった。その北海道でも近頃は30℃超が頻発している。

大通りを貫くビアーガーデンは札幌の夏の風物詩である。夏とは言っても日が陰り始めると肌寒い風が吹き抜ける。そうした中、(少なくとも私は)寒さに震えながらビールを飲んでいた。今は日没後も暑気が残り冷たいビールに程よい暑さであろう。コロナ禍の今年は客席の間隔を開けて営業しているらしい。さえずりを止められた小鳥の如しで、これでは愉しみが半減以下であろう。

内ノ浦湾を挟んだ釣り場の対岸にこのあたりとしては大きなマンションが建っている。普段の夏ならプールで遊ぶ子供の声がこちらまで響いているのであるが、今年は見事に静かな沈黙の夏である。変らないものもある。1)ビール、2)(紀州)茶粥、3)スイカ、4)アイスクリーム。コロナ禍にあってもこれらの品は我が家の夏に必須のアイテムとして不変である。

田辺湾の夏の味覚ガザミ;資源保護のため抱卵ガニはリリース