=ボ・ぺミアン=

 

みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご利用いただき有難うございます。

いつもより暖かく感じられた11月でしたが、12月に入って強風と氷雨の先制パンチに見舞われました。このところの定期的な寒波の襲来に本格的な冬の到来かと気が引き締まります。海上作業にとって厳しい時期です。しかし収穫作業が続いているマガキには必要な寒さです。そして紀南の風味”ヒロメ”にとっても。

釣り場の直近水温は20℃を下回って15℃に近づいてきました。高温傾向が続いていた湾内水温もほぼ平年並みになってきたというわけです。軌を一に透明度も上がっているようで、穏やかな日には海底が望める時もあります。

11月のチヌ類は25㎝前後の小型主体で1.6尾(一人あたり)となりました。数としてはそこそこ稼げたものの、サイズが小さいためチヌハンターの満足度は低かったように想われます。そうした中、H両名が30㎝超の良型を複数尾釣り揚げて存在感を示しました。この釣果は同時に良型サイズがこの時期の釣り場周りに居ることを示してくれました。サイドメニューは引き続きチャリコ、カワハギ、稀にオオモンハタの幼魚などです。

アジ類は25~30㎝超が10匹前後、小アジは姿を見せません。しかし湾奥では青アジ(=マルアジ)がある程度満足できる数が揚がる日もあるようです。アジを狙って青物が回遊しており、こちらが喰い付くことも大いに期待できます(釣果情報必見)。

アイゴはシーズンとしては終了した模様。来年に繋がる竿収めができたとハンターたちの満足度は高かったと推察されます。現在は居着きの個体が稀に揚がる程度です。

釣り場への珍客ウスバハギ(全長62㎝)

少し前のニュースで間もなく中国の雲南省昆明からラオスのビエンチャンまで鉄道が繋がると伝えていました。ラオスは現役時代に仕事で数回訪れたことがあります。首都ビエンチャンから北部の世界遺産である宗教都市ブランパバーンまで国道を半日以上走りました。国道とはいえ、車酔いを心配しつつ半日以上費やしてやっと到着した険しい山路であった。途中にはゲリラ出没の危険があると聞かされていたが、幸いにもそうした危険に遭うことは無かったのは幸いであった。仕事場はメコン川の支流に沿ってさらに2~3時間の距離にあったが、道路はもちろん未舗装で、車で走ると乾季には砂埃で視界が遮られるほどであった。あんな山岳地帯にどうやって鉄路を敷設したのか・・・?

長期滞在していた仲間の一人の口癖は「ボ ペミアン」。最初は「ボヘミアン」と聴き間違えていた。「ボ ペミアン」はタイ語の「マイ ぺイラン」と同義(ラオス語は東北タイ語と同じ言語)で、何かを失敗した際に「ボ ペミアン」といえば「気にしない気にしない(ポリポリ)」といった意味と理解され、彼らの楽天的性格を想像する。ところが日本人が考える以上に奥が深いらしく、(少なくともタイでは)「あなたはどうしてそんな事にに拘るの(ぷんぷん)」と、相手に対する非難めいた意味を含意すると教えられた。むしろこちらが本来の言い回しとも・・・。

ともあれ我々がラオスを訪れた時期は既に社会のあちこちに中国の影響が見て取れたが、まだまだ限定的で規模も小さかった(と理解した)。仲間内にはラオスに魅せられたファンが多かったが、牧歌的風景や人情に昔の日本的風情を想い起し、加えて物価の安いことが彼らの心を捉えたのである。ラオス人には不本意かもしれないが、唄の文句にもあるように「あなたは貴方のままで居てください、そのままで!!」と願ったのであった。残念ではあるが今度の鉄道の開通によってラオスの景色も大きく変わることだろう。時代の流れとはいえ、かの国の行く末が気になっている。