=氏より育ち?==

 

皆さんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご利用いただき有難うございます。

郷は白~薄桃色の桜が彩を添えるなか下草はいよいよ勢いを増し、季節は春終盤へと歩を速めています。鳥の巣半島は田んぼの荒起こしが済み、間もない田植え本番を待つ段階。

水温は20℃に迫る勢いかと思いきや降雨後には一転15℃を切ると言った具合で、天候の影響を受けて乱高下しました。直近は18℃前後で推移しています。海の色はすっかりグリーン系に替わり、透明度は中位。ごく小規模な赤潮が観察される日がありました。

3月のチヌ類は1.5匹(1人当たり)でした。ここにきて40㎝超えの良型がぐっと数を増やしており、これまでの最大は54㎝弱です。右翼、左翼側のどちらでも釣れておりますが、先端近くの台が幾らか好調そうに想えます。

アジ類は釣れれば良型だけれど数の点では極めて低水準です。久しぶりに現れたアジハンターTさん、第一声は「海はやっぱり好いなあ~」(若大将世代ですからねェ)。そして「今夜のサケの肴ができた」と独り言ちしつつ別の獲物(秘密)を抱えて帰途に就きました。

アイゴに関してしばしば「良型の群れが筏周りでみられる」との報告が届いています。シーズンインもそう遠くないと予想します。

 

A journey to the future:路は後ろに出来る!

田辺湾の“ヒロメ”(=ヒロハメ、ヒトハメ“)漁もほぼ終了した模様。我が家も何度かおすそ分けに預かり、季節を味わせてもらいました。

ヒロメは地域特産品として漁協でも県・市の協力を得て増産に向け地道な取り組みを続けています。そうした一環で試験栽培のヒロメ株の一部を釣り場周辺に吊るしておりました。これは積極的な養殖というより余剰株を「ダメで元々、育てば好し」というスタンスでありました(恐らく)。

ヒロメシーズンも終わりが近いという先般、責任者から「欲しければどうぞ!」と云って“待てっ!”の指示が解除されたため、一部を刈り取って食してみました。ところがどうも味がおかしい(有体に云って“まずい”)のです。我が家の年寄りは途中で箸を置き、「藻体の形状や硬さも本来のヒロメとは異なる“かえり“」と漏らした。元々の種苗は違わないはずなのに。釣りのお客さんにも差し上げたのに誠に気の毒を致しました。

原因について件の年寄りは、「環境が好くない、恐らく栄養が足りない場所で育ったから!?」との説であった。当該エリアはマガキの成長も良くないから、この見立ては案外中っているかもしれない。近年、海苔の主要産地である瀬戸内海や有明海で栄養塩不足に因る生育不良が大きな問題になっている。アサクサノリでも似たような現象が起こっているとすれば、その生産現場は厄介な問題を抱えてしまっているのだろう。

さて新しい年度を迎えました。風に舞って落ちた桜の花びらが海面をゆったりと運ばれて往きます。中には流れ藻に絡めとられているものも。まるで人生の写し絵。