鳥の巣釣り場通信(2026‐08)
===自然は時に試練を与える===
里山は新緑に満ち、下草の伸びも日一日です。この大型連休、快晴続きとまでいかないけれど初夏の兆しといって差し支えなさそうです。鳥の巣半島の田んぼは一足早く早苗が出揃いました。
釣り場の水温は20℃を超え、直近は21~22℃をベースに変動しております。
海の色は緑が優占し、透明度は中~高位となっています。今年は水温も透明度もやや高め傾向との感触です。
4月のチヌ類は1.8尾(一人当たり)で上向き傾向にあります。日ごとの釣果に乱高下が認められましたが、月に均せば中~高位水準と受けとめています。サイズは20~40cm台が主体で、この辺りで云う50cm超えの大物は極端に少なくなりました。これに対して通常夏場から増える小型サイズの出足が早い印象です。
アジ類は20~25cm前後が数尾~数十尾というところで、尺サイズもまま目にします。釣り場全般の傾向かもしれないけれど、アジ類も他の魚種同様に釣果の日変動が大きくなっています。ただ月末から上向傾向との認識を得ています。
今年初登壇の超ベテラン・アイゴハンターNさん、初日の釣果は片手に届かなかったものの、最初としては“手応えあり“だったと慮った次第です。アイゴの釣り愛好者は限られるけれど熱心なハンターの多いのが特徴です。いよいよシーズンの幕が開きます。
スズキの類はしばしば姿を現しているようです。この70cm超えともなれば、チヌの50cm超に相当するレベルらしいですね。蛇足ではありますが、ヒラスズキの完全養殖を目指した研究が長崎で進められているそうです。イシダイに関し、当釣り場では今年の許容尾数に達成したと推察します。
釣りも麻雀のようなもので、日々の“釣れる釣れない”には運があるようでも、年間を通してみると力の差がでてくるのかもしれません。

早苗の揃った早暁の田んぼ(鳥の巣半島:向いの小島は神島)
今から10年前までこの大型連休期間が鳥の巣半島での田植えの最盛期でした。田植えは収穫からの逆算で日にちがほぼ決まっていますが、まとまった休みに作業をするのは兼業農家に好都合だったからです。
しかしここ数年の温暖化で田植えの時期が1~2週間ばかり早まり、今頃は既に水を潅えた田んぼに早苗が揺れています。「本州最南端の串本で田植えが始まった」とニュースで流れたのは、鳥の巣半島で作業が粗方終わった数日後でした。今年は鳥の巣半島が一番乗りだったかも。
我が家の小さな田んぼも近年は田植えが前倒しとなっています。残念なことに今年は前線の周期的な通過に伴う強風が吹き、植えたばかりの苗が浮き上がってまばらの点描状態となってしまいました。真に無残な姿をさらしています。この10年で最大の被害となり植え直しに数日を要しました。。
田植えのタイミング、気象条件、田んぼの整備状況などが関係しているため如何ともし難い点がありますが、「細心の注意を払って手を抜かずに準備をすればそれなりの結果が得られる」ということは理解できています。ただ行動に繋がらず、つい手抜きに走る悪癖がずっと続いているのです。
かくして田植え後の田んぼが同じような景観を呈していても、注意して眺めれば「ここは丁寧な仕事をしているな/ちょっと手抜きかな」といった視点で捉えることができるはずです。
いろいろ苦労はあっても様々な野鳥の鳴き声が響きわたる谷内田の作業は一服のお茶に似た安らぎを提供してくれます。自然はいつも我々の味方というわけでなく、時に有難くない贈り物もあるといえども。
田植えにまつわる一つが季節特有の花芽や花粉が田んぼに落ちて早苗を押さえるのです。新緑の彩であっても早苗の大敵で。まとわりつくと苗の成長が著しく妨げられます。谷内田特有の悩みですね。
採餌のために田んぼへ来遊する“カルガモ”や“サギ”類が早苗を浮き上がらせる、あるいは踏みつけ被害も馬鹿になりません、小さな田んぼですから。
そのゆえ鳥の巣半島の田では防鳥用の細紐を張り巡らしているのですが、鳥が慣れてきたせいか防鳥効果が年々薄れている気がします。細紐の間を器用に抜けていくカルガモやサギ類を視るのは脱力ものです。こやつら恐竜の親戚達は中生代末の大絶滅を乗り越え永く世代を重ねてきただけあって、その能力は侮れません。
兵庫県や佐渡の”コウノトリ”や”トキ”が採餌来遊する湿地の景観は地域の風物詩ではありますが、(いつか記したように)稲へも被害が相当あるのだろうと推察しています。ただ、かの地では被害を憂いているだけではなく、“コウノトリ米“とか“トキ米”とか言った具合にブランド化して販売する戦略を展開していると聞いた覚えがあります。
さて海へ目を転じれば“ヒジキ”の刈り取りがはじまっています。先に「ヒジキの出来はまあまあ」と記したところへ、どっこい「”ヒロメ”ほどではないが今一つ」との最新情報が入ってきました(再びがっかり)。
一方、初夏の味覚「“ツメバイ”が浅瀬に姿を見せ始めた」とベテラン漁師が教えてくれ、別の知り合いが大潮の海へ初出動していきました。海藻に賭けた夢が潰えつつあるとしても、せめて巻貝は満足できる漁になればと願う次第です。
自然は我々に恵みをもたらしてくれるけれど、時に試練も与えます。異なる構図かもしれないけれど、表面的にある種の宗教と似ています。
鳥の巣釣り場通信(2026‐07)
===春のまどろみの中で・・=== 春は菜の花類をはじめ黄色の花が目立ちます。単なる個人的印象かとも疑っていたのですが、日本料理の世界でも「春は黄色が季節の色なんです」と講師の先生が力強く話しているのを聴き「なるほど、一般的な受け止めなのだ」と心に刻めました。 鳥の巣半島では田植えの準備が急速に進んでいます。水を溜めた田んぼに映り込む新緑はインスタ映えします。こうした映像では見えてこないけれど、里山には時期特有の匂いがあります。野外で昼寝したくなる季節の到来。...
鳥の巣釣り場通信(2026‐06)
===時代は巡る=== 新しい年度に突入しました。同じことの繰り返しのようにみえても毎年少しづつ違っています。 里山の桜はすでに葉桜に替わってきており、散った花弁が田舎道に散りばめられています。藪ではウグイスが盛んに鳴き交わしており、「田舎の春だなあ~」なんて緩んだ気持ちで鳴き声を聴いていたのですが、「あれは繁殖の季節を迎えたオスが涙ぐましい自己アピールをしている姿なのだよ」と知人が教えてくれました。野鳥として生きるのも苦労が絶えないものです。...
鳥の巣釣り場通信(2026‐05)
===遥かなる文化・社会遺産=== 3月の初めごろから鶯の気配が感じられ、雨下にはカエルの鳴き声が響き渡り始めました。自宅の桃の老木や杏が咲き始めました。春の訪れを感じます。それでも今時の三寒四温、気温の高い日が続いた後の寒の戻りが年寄りの身体に堪えます(逆もまた然り)。 釣り場の水温は気温の変動に呼応し、16~18℃をベースに目まぐるしく変動する乱高下ともいえる状況で、水中の生物にとっても快適とは云えなさそうです。 陸から眺める海は緑が優占しており、透明度は中位~上位レベルとなっています。...
鳥の巣釣り場通信(2026‐04)
===年齢を重ねるほどにやせ細る感性かな?=== 里山にうっすらと赤みを帯びた紋様が現れだしました。山桜の花芽が膨らんできているのでしよう。水仙はそろそろお仕舞になり、一方で椿の花が人目を引きつけます。またエンドウの類もぐんぐんと成長してきました。鮮やかな黄色の花を着けます。春は黄色の花を着ける植物が多い気がします。 釣り場の水温は一時20℃に迫ったのですが、直近は17~18℃をベースに上下しています。20℃といえば4月半ば頃の水温レベルですから少々焦りました。それでも通年より2℃前後高めとなっています。...
鳥の巣釣り場通信(2026‐03)
===春の兆しがあれども海の幸は渋めか=== 早咲きの水仙や梅が散り始めた模様です。下草も所々に緑に息吹が感じられるようになりました。いつも通る田舎道の椿、今年は開花したのかどうか未確認。果たしてうっかりなのか余裕がないのか・・・?? 釣り場の水温15℃を上回るようになり、直近は17℃前後で変動しています。最近3年間のこの時期の水温は15℃を前後しているので2~3℃程度高めとなっています。紀南地方に積雪をもたらした先の寒波時にも水温の下がり方が小さかったため、黒潮の接岸と関連した高水温傾向と考えられそうです。...
鳥の巣釣り場通信(2026‐02)
===紀南の海辺に春の息吹=== 紀南では梅の花が咲き始めており、梅林は日ごとに色づき賑わいを増しています。水仙もあちらこちらで眼福を運んでくれます。水仙は北風の吹きすさぶ里地であっても、日当たりさえ良ければうらやましいぐらいに元気です。そういえば釣り場周辺の枇杷も控えめながら花をつけています。 釣り場の水温は、月初めは黒潮系水の影響でやや高めであったものの、その後の強い寒波襲来で15℃を下回るようになり、直近は14~15℃前後で変動しています。いささか乱高下の様相を呈したものの、今はほぼ例年並みといえます。...