鳥の巣釣り場通信(2025‐07)

===遠くの親戚 近くの他人===

 

平素は鳥の巣釣り場をご愛顧いただき誠に有難うございます。

初々しい緑の衣をまとった樹々、山が一回り大きくなった印象を受けます。鳥の巣半島の水田に早苗が植わり、五月の微風に揺れています。里山が水面に映り込む時間帯は日本の原風景としてインスタ映えする光景ではあるものの、苗の成長は意外と早く、そうなると汚れた鏡と一緒で映りが悪くなります。従って水鏡は限られた期間だけのお宝映像といえます。

釣り場の水温は20℃を超えてきました。といいつつ肌寒さを感じる朝が続くと19℃ぐらいまで一気に下降するなど乱高下の傾向が認められ、直近は概ね20℃をベースに行ったり来たりしています。

透明度は引き続き中~低位、湾奥は緑色が卓越しています。干潮から潮が満ち始める時間帯に赤い着色水が波打ち際に延び、潮高が増すと共に赤色は薄まっていきます。プランクトンに因る赤潮は長続きする傾向があるので、この点が紅藻由来の赤色水との違いと云えましようか。

4月のチヌ類は0.7尾(一人当たり)でした。かつての50㎝超えは希少となり30~40㎝台が主体になっています。また20㎝台の小型サイズも混じり始め、ハンターの満足度はやや下降気味と見受けられます。であっても、ドボンよりはずっと良いはず、です!

アジ類は引き続き”赤““青”共に“ポツポツ~そこそこ“という状況です。「尺(30㎝)クラスを揚げたとの情報もあるので、これは低迷を脱して上向き傾向にある」、と淡く期待しています。但し状況として小さな群れが回遊している模様で、早朝が最も成績が良く、中断の後はしばらく時間を置いて1、2回廻ってくるかどうか、という印象です。

アイゴ探りの竿出しにやってきた超ベテランN氏。今年初めての釣果は本人予想を良い意味で裏切った模様。いよいよシーズン到来と云えそう!?

今年はイシダイの成績が良く、専門に狙うハンターも現れています。しかし相手も強者、良い時も悪い時もある、という感じです。

 

 

稲作技術を未来へつなぐ

 

「遠くの親戚より近くの他人」は、「いざと云う時に力になってくれるのは遠くに住む縁者よりご近所さん」という意味の格言です。でも状況によって逆が真実の場合もありそうですし、援助を必要とする人がいた場合に行政機関が先ずコンタクトを取るのは縁者のではないでしようか。

釣りに親しむ皆さんなら良くご存知のように、魚には“○○タイやxxダイ“と云うタイ系の和名を持つものが数多くいますが、姿容が一見”マダイ“に似ているからと安易に名付けられたもので、分類学的な近さ(≒ 血縁)と関係しない場合が殆どです。

例えば”マトウダイ“という魚はマトウダイ目に属し、片や”マダイ“はスズキ目と遠く離れた存在です。また”イトヒキダイ“なども想像力を結集した名前でしよう、恐らく。

日本ではマダイが珍重されたが故のあやかりと云えそうですが、逆にそれだけマダイが特別な存在であったことも示しています。もっとも地球上にすむ生き物はご先祖様をず~と遡っていけば、どこかの段階で共通の祖先をもつ縁者繋がりなのですが。

クジラは漢字で勇魚(イサナ)と書くから、魚の仲間と考えられた時代も長かったはずです。名は体をあらわしているのかもしれないけれど、流線形のクジラやイルカと四足動物のカバは外観が違い過ぎるため、遺伝子の解析が進むまで両者の血筋の近さは想像すらできませんでした。もっともっと前にこの事実が分かっていたならクジラは“オオミカバ”なんて名前で呼ばれていたかも・・ですね。

蛇足ながらクジラやイルカはエコロケーションといって音波を使って周囲の地形や獲物の探索を行っています。同じようにコウモリがこの能力を持っていることが良く知られています。

近年の遺伝子による研究結果では、コウモリはクジラやカバ、ウシなどと共にローラシア獣群(ローラシア大陸起源の動物)と呼ばれるグループに入るそうで、クジラとコウモリという外観のかけ離れた動物の意外な類縁関係が明らかになってきました。但し、両者の音波探索能は両者の共通祖先から受け継がれた能力ではなく、進化史のなかでそれぞれ別個に獲得されたものとの認識です。

ちょっと逸れますが、つい先ごろ「白浜Aワールドのパンダが近々中国に返還されることになった」というニュースが巷を駆け巡りました。貸与契約の期間満了に伴う措置だというけれど如何にも唐突な話であったから、一般市民のみならず関係者にとっても晴天のへきれきだったものと推察します。

現在パンダは世界各地の施設で飼育されておりますが、Aワールドの繁殖実績は本家の中国を除くと世界最高レベルとの評価を得ています。

ご存知のように白浜生まれのパンダには「○浜」という名前が付けられております。巷に云うところ”浜家“のパンダさんで、こちらの”浜“は血筋より出生の地縁にウエイトを置いたのでしよう。取らぬ狸の皮算用かもしれないけれど、血統の異なる新たなパンダの貸与が実現しても”浜“名が踏襲されそうな気がします。

Aワールド生まれのパンダ達は両親が同じだからみんな容姿が似ているに違いありません。素人にはなかなか見分けがつかないのだけれど、スタッフは僅かな形態(= 形質)の違いを手掛かりに個体を識別しているそうです(頭のでっぱりや、目の周りの毛様などなど)。そう云われれば「なるほど」とうなづく点がありました。

(動物の類縁関係に興味をお持ちの方は是非「動物の起源と進化 長谷川正美 八坂書房」に目をお通し下さい。)

鳥の巣釣り場通信(2025‐02)

==冬の装い==   平素は鳥の巣釣り場をご愛顧いただき誠に有難うございます。 テレビの映像で観る串本の水仙群落は一面の花に覆われていました。一方この近隣で観る水仙は常より花を付けた株が少なく、叢の開花が揃っていない印象を受けます。知り合いの家の庭で満開の紅梅を見つけました。 真冬にしては暖かい日が続いては数日後に寒さが戻ってくる繰り返しです。風の強い日は外の作業もつらいのですが、風の渡る道筋やそれによって変化する海の表情を目で捉えることができます。...

鳥の巣釣り場通信(2025‐01)

==2025(R7)年の幕開け==   新年あけましておめでとうございます。日頃は鳥の巣釣り場をご愛顧いただき誠に有難うございます。 先の年末年始、紀南地方は天候に恵まれ、割と穏やかに過ぎていきました。昨年の能登の大震災のような大きなニュースも無かったのは幸いでした。...

鳥の巣釣り場通信(2024‐22)

==2024年の年の瀬==   みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご愛顧いただき誠に有難うございます。 季節はすっかり冬です。強めの北風が筏の上を吹き抜けていきます。いつの間にかナンテンの実が赤く色づき、里の冬を彩ると共に野鳥の貴重な餌になっています。冬枯れの路傍は寂しいけれども下草刈りに追われないという開放感があります。 釣り場の水温はコンスタントに20℃を下回り、直近は17℃をベースに上下しています。夏以降は、昨年、一昨年に比べて1~2℃高めの傾向がずっと続いています。...

鳥の巣釣り場通信(2024‐21)

==落ち葉は雨垂れに似て・・==   みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご愛顧いただき誠に有難うございます。 路傍のあちこちに背丈の低い水仙の叢が現れはじめました。繁殖力が強い種らしく、この10年ほどの間にもぐんぐんと生息域を拡げています。花は白色がスタンダードですが、黄色もあります。ナンテンや寒椿にはまだ少し間がありそうです。...

鳥の巣釣り場通信(2024‐20)

==暑さの続く中 マガキの収穫作業始まる==   みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご愛顧いただき誠に有難うございます。 少し前、金木犀の匂いが漂い出したと思ったら数日で終わってしまいました。と記してから10日ほど経った日、再び微かな金木犀の匂いが漂い始め、今や満開です。最初のは如何なる合図だったのでしよう?? 興味深いことに、釣り場近くの田んぼには稲孫(切り株から育った2番稲)が生長し、綺麗に揃った稲穂を付けました。どちらも極めて珍しい現象と云えます。今年は湾内で「タチウオが釣れた」との声が聴かれません。...

鳥の巣釣り場通信(2024‐19)

==眠れない秋の夜長に==   みなさんこんにちは。平素は鳥の巣釣り場をご愛顧いただき誠に有難うございます。 少し前、金木犀の匂いが漂い出したと思ったら、20輪ほど咲いて数日で終わってしまいました。暑かった夏の影響で植物体が疲弊したのか、リズムを崩したのでしよう。今年はまた「タチウオがたくさん釣れた!」との捷報が届きません。その影響か、我が家へ泳いでくる魚影は無し、です。 釣り場の水温はようやく25℃を下回り、直近は24℃を前後しています。これでも高め傾向であった昨年や一昨年の同時期に比べて1~2℃高くなっています。...

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