鳥の巣釣り場通信(2025‐17)
===未来へ繋ぐディスプレイ?===
移入植物は“セイタカアワダチソウが至る所で繁茂しています。この黄色い花が鮮やかだけれど繁殖力がすこぶる旺盛で、背の高いその茎は固いので駆除するにも厄介な存在です。あちこち荒らしまわっているイノシシもセイタカアワダチソウの群生地は避ける傾向が見受けられます。悪いことに、お仲間のブタクサの類もあちこちへ侵入しています。最近これらの判別法が分かりかけてきました。
水温は下降に転じる時期が8月末と早かったものの、その後の低下が緩慢で、このところ26℃台が続いています。その結果、今年は例年に比べ1~2℃高め傾向となっています。昨年はどうかと云えば、彼岸頃まで30℃の攻防が続いたものの、その後低下のスピードが速く、この時期には25℃或いは下回る日もしばしばありました。
海は蒼緑を呈し、透明度は中位からやや良となっています。これからしばらく釣り場の透明度が高くなります。そしてどうやら今年は秋の使者“タコクラゲ”の来訪がすこぶる少なかった印象です。
10月前半のチヌ類はほぼ2尾(一人当たり)でした。サイズは25㎝以下クラスが圧倒的で30㎝超えの良型が幾らか混じるという構成で、前月よりさらに小型化が進んでいる印象です。サイドメニューは引き続きオオモンハタの幼魚やチャリコといったところです。10年ほど前にはこの時期、ベラ類が代表選手だったのにも拘わらずここ数年は姿を見ません。海の生物相も変化している模様です。
アジ類は20㎝前後が主体で数としては低めで推移しています。直近はアジより子サバが多いという情報です。ベテラン氏によれば「龍田揚げにすればサバ子もいける」そうです。ところが、「プリン体が多い」と人づてに聴かされ箸の進みがすっかり落ちた模様。気にし過ぎでは・・・。
アイゴは幼魚主体へと替ってきました。数が出ても幼魚(=バリコ)は釣りの面白みに欠けると評判は今一つです。関係者の尽力によって仕上がったバリコの干物のおすそ分けに預かりました。今年初のB級グルメ入手です。

バリコ(=アイゴ幼魚)爆釣
秋の訪れを察知したからか、湾内を爆走していた水上バイク軍団が姿を消しました(稀に迷い込がありますが)。エンジンを空噴かしする幹線道路のバイク部隊は相変わらず元気が良いけれど、釣り場周りはトワ・エ・モア風に云えば、「今はもう秋、水上バイクのいない海」のイメージが嵌まります。バイク部隊がスピードに酔いしれる感覚は分からないでもないけれど、民家の立ち並ぶ狭い港内や信号待ちの交差点で何故これほどエンヂンに負担をかければいけないのだろう・・・」とかねてから疑問に思っていました。
過日、テレビを観ていたら風鳥(=極楽鳥)を追うカメラマンを紹介する番組が流れていました(インタビューが主目的だったかもしれない)。かの鳥は主にニューギニアからオーストラリア東部にかけて生息する種群です。
オスは極めて美麗な外観(羽毛)を有しており、その写真を眺めているだけでも愉しいのですが、繁殖期には派手な外見を活かした(?)派手な求愛ダンスでメスの気をひこうと力の限り競います。
これがまた我々の想像を超えたユニークな振り付けで実に興味を掻き立てられるのです。これは進化の過程でオスの容姿と派手な踊りがメスをより惹きつけてきた結果(=性選択)、獲得された特性と云えます。
一方、メスはオスに比べると姿形は極めて地味ですが、ペア―をつくる選択権は圧倒的にメスが握っているのですね。オスには好みが無いのかしらん・・??
奄美近海の海底の砂地に描かれた円形の幾何学模様をご存知ではないですか? あれはフグの仲間が創り上げた作品(アマミホシゾラフグの産卵床)で、その模様の完成度の高さがメスを惹きつける必須要件であるとか。メスのお気に召さない場合、「満足な産卵床も造れない甲斐性なしね、頼りにならないわ!」ってな具合で、カップルの成立に至らないとか。
ほ乳類でもカップルが成立するには群れ内外の闘争を勝ち抜くなど様々なハードルを乗り越えなければならず、みんな子孫を残すにはそれなりに苦労があるのです。
“はた迷惑”と非難される若者達の行動は得てして有り余ったエネルギーの発露と説明されます。でも上述のようにみると、あれは動物全般に通じる求愛行動の一形態と考えられませんか? 何故かと云えば、活動的なのは繁殖盛期のグループであって、若年層や高齢者あるいは若くても家庭をもった人は普通ああした激しい行動はとりません。
この“求愛ディスプレイ“説が正しければ、バイク軍団の爆走に対して我々年寄りは反射的に顔をしかめるのでなく、もう少し暖かい目で見守るべきなのかも知れまませんね。
賛同者は少なそうだし彼らの爆発力に問題もあるけれど今風の淡白男子より動物的本能を強く保持していそうだし、つるんで活動しているからチームプレーもある程度できそう。縮みゆく日本社会に一石を投じてくれそうな期待感が湧きます。規則2で行動を縛るより活躍の方途に知恵をしぼり若者に提供する方が未来に繋がりそうである。
鳥の巣釣り場通信(2025‐11)
===雨が物語を紡ぐ=== 平素は鳥の巣釣り場をご愛顧いただき誠に有難うございます。 鳥ノ巣半島の水田ではi稲の実入りが進み始めました。高い気温を反映してか昨年(もちろん例年)より数日前倒しになっています。問題は今後の水の具合と病気並びに高温障害の程度でしようか。国内のコメどころの多くは鳥の巣半島より気温が高いうえ、長引く暑さが米の品質にダメージを与えます。今年の米生産は量も品質も安心できません。...
鳥の巣釣り場通信(2025‐10)
===最初の一尾=== 平素は鳥の巣釣り場をご愛顧いただき誠に有難うございます。 今の時期、落ち梅にビワが田舎道のあちこちで眼につきます。近頃はこれら先行組にヤマモモが加わってきました。ヤマモモの種は靴や車の溝に入り込むので厄介です。 ヤマモモは子供の頃の貴重なおやつでした。近頃の小学生はヤマモモを知らないということは以前記しました。地域を代表する樹種なのに残念。...
鳥の巣釣り場通信(2025‐09)
===食べものにまつわるあれこれ=== 平素は鳥の巣釣り場をご愛顧いただき誠に有難うございます。 つい先ごろまで香を放つ植物があちこちで観賞されたのですが、既にシーズンが終了した模様です。夜明けと共に甘い匂いの消え去った田舎道を軽トラが車列をなして畑へと向かっています。多くは梅取り軍団、ごく一部がビワ農家でしようか?...
鳥の巣釣り場通信(2025‐08)
===タコ・イカから目が離せない=== 平素は鳥の巣釣り場をご愛顧いただき誠に有難うございます。 米つくりが盛んな隣接地域の田んぼに水が入り始め、田植え関連の作業が急ピッチで進んでいます。片や一月前に作業が済んだ鳥の巣地区は苗が育って青田に替わってきました。なかでも肥料が利いた水田は株の張りが立派です。これに比べると痩せづくりの我が家はかなり見劣りしています。...
鳥の巣釣り場通信(2025‐07)
===遠くの親戚 近くの他人=== 平素は鳥の巣釣り場をご愛顧いただき誠に有難うございます。 初々しい緑の衣をまとった樹々、山が一回り大きくなった印象を受けます。鳥の巣半島の水田に早苗が植わり、五月の微風に揺れています。里山が水面に映り込む時間帯は日本の原風景としてインスタ映えする光景ではあるものの、苗の成長は意外と早く、そうなると汚れた鏡と一緒で映りが悪くなります。従って水鏡は限られた期間だけのお宝映像といえます。...
鳥の巣釣り場通信(2025‐07)
===桜にまつわるエトセトラ=== 平素は鳥の巣釣り場をご愛顧いただき誠に有難うございます。 桜の花が風に舞い雨に打たれて散り去り、骨組みだけだった立木も急激に初々しい緑をまとい始めました。里のあちこちで草刈り機のエンジン音が響き、鳥の巣半島では田植えの関連作業が急ピッチで進行中です。 水温は天気の変化に呼応し、月初めは17~18℃台をベースに晴れると上昇、降雨になると下がるパターンが続いておりましたが、直近は18~19℃へとベースラインが上がっています。今のところ20℃を超えた日は記録されていません。...